| フォーマット | CDアルバム |
| 発売日 | 1990年06月30日 |
| 国内/輸入 | 輸入 |
| レーベル | Virgin |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | 7861952 |
| SKU | 077778619529 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 00:49:33

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現代阿弗利加音楽曼荼羅(げんだいあふりかおんがくまんだら)といいますか、このセネガルのヨッスーの躍進作は、弦楽器(ギター、ベース等)と管楽器(サックス等)と打楽器(トーキングドラム、パーカッション、ドラム等)の3者が絶妙に拮抗して生まれる音世界(曲によってはさらにキーボードの電子音もその拮抗に参入する)、そこにユッスーの歌が乗り、ダンサーも加わりと、じつにライブ感あふれるアルバムとなっている。
アルバムタイトルの“セット”は、ウォルフ語で“清掃・清浄”という意味で、“心を澄まして自己省察する”というような意味でも用いられる、ということらしい。日本語だと“明鏡止水の境地”という言い回しがあるが、セネガルの“セットの境地”はもっとダイナミックで、積極的で、いらんことはどんどんなしにして己が本来進むべき道に立ち返っていこうぜという意志に満ちている。そして実際、ヨッスーのバンドの音には、迷いが微塵もない。そこがいい。迷いのない音と音とがぶつかって、拮抗し合って、躍動的でエネルギッシュでかつじつに端整な世界が現われくるのだ。
西洋の集団音楽といえば、1つの極致としてオーケストラがある(その延長としてさらには、1台のコンピューター上で譜面が全部入力・編集されて出力されるコンピューター音楽がある)わけだが、オーケストラは1人の指揮者によって静的にシステマティックに統御されるコスモス。それとは違ってヨッスーの音楽集団はメンバー全員が阿吽の呼吸をぶつけ合うことで動的にバランスが保たれる、雑駁な記号に頼らないライブ、でありなおかつ精緻なる曼荼羅。
そしてそれは、現代アフリカに生きる者として言わずにはいられぬことを歌に託すメッセージソングでもある。メッセージソングもいまや絶滅危惧種なのかも知れぬが、当節流行りのフィーリング一辺倒の音楽も果していかがなものか。とヨッスーの歌を聴いて思うのでありますがね。