シンガー・ソングライター、清竜人の通算6枚目となるアルバム。全曲の作詞・作曲・編曲はもちろんのこと、ストリングス・アレンジまでをも手掛け、まさしく来るべき時代の突然変異型音楽プロデューサーとしての側面が驚異的なスピードで開花した作品。メロディー/声/言葉が格段に冴えわたる一枚。 (C)RS
JMD(2013/08/23)
放蕩息子の帰還! おかえり天才くん。誰もが追いつけないスピードでとてつもない変貌を遂げた4thアルバム「MUSIC」、そして1秒たりとも放送できない歌詞で埋め尽くされた5thアルバム「KIYOSHI RYUJIN」を経て、まるで憑き物が落ちたかのように、清竜人が帰還! 全曲の作詞・作曲・編曲はもちろんのこと、ストリングアレンジまでをも手掛け、まさしく来るべき時代の突然変異型音楽プロデューサーとしての側面が驚異的なスピードで開花した今作。清竜人の最大の魅力であるメロディー/声/言葉。そのすべてが格段に冴えわたる今作でひときわ目を引くのが、日本語詞の第4世代の革命とも言える、圧倒的なグルーブポイントを獲得した日本語。そしてこのアルバム全体の通底音として流れる、音楽家としての万能感の歓喜の響き。少なくとも音楽の未来はこの24歳が担っていることを肯定せざるを得ない、21世紀初頭を飾る圧倒的名作。
ユニバーサル
発売・販売元 提供資料(2013/08/13)
声優などを招いたミュージカル音楽風の『MUSIC』、自宅録音による弾き語り作『KIYOSHI RYUJIN』(タワレコでは入手不可)を経たニュー・アルバムは、ASA-CHANG(ドラムス/パーカッション)、Tokie(ベース)らを従えたバンド編成で録音。とはいえ、やはり聴きどころは自身でさまざまな音の仕掛けを施した編曲だろう。粋なスウィング・ジャズ風“Zipangu”、モータウン調の“LOVE&PEACE”など曲自体はリフ重視、メロディーありきのキャッチーなものばかりだが、流麗なストリングスが敷き詰められたり、転調が何度も繰り返されたり、突然三味線のソロが飛び出したり……と、どれもかなりの〈厚塗り〉。かつてのクイーンにも負けないロック・オペラさながらのゴージャスさに、心地良い目眩を起こしそう。
bounce (C)岡村詩野
タワーレコード(vol.360(2013年10月25日発行号)掲載)