ダンスホール・スーパースター、ヴァイヴス・カーテルの注目作。自らがジャマイカの貧困について言及した著書『THE VOICE OF JAMAICAN GHETTO』と連動した今作は、過去4年間に録り溜めた楽曲から構成された特別企画盤。
発売・販売元 提供資料(2013/07/26)
メジャー・レイザー『Free The Universe』の冒頭をリズミカルなフロウで飾り、8月末には内縁の妻が立ち上げたレーベルより新曲を発表したこともあって不在感は希薄ながら、現在、複数の殺人容疑で拘留されているヴァイブス・カーテル。バッドマン・スタイルで鳴らしたDJだけに、(真相はともあれ)あまりにもイメージ通りじゃないですか……と思っていたところへ到着したニュー・アルバム『The Voice Of Jamaican Ghetto: Roots & Culture』はどうでしょう。本作は2011年の逮捕前に録音された楽曲で構成。〈ジャマイカを良くする方法〉を提案した昨年発行の著書と同様に、貧困に苦しむゲットーのリアルを切々と説いています。当然スラックネスなどは封印し、カーテルのイメージ刷新に一役買いそうな内容というわけ(裁判にも有利に働くかな?)。そうなるとルーツィーなサウンドかと思いきや、ピアノやストリングスを配したキャッシュ・フロウ得意の涙腺直撃系ミディアムから、激しいドラム・パターンが90sダンスホールを思わせるスティーヴン・マクレガー製〈Boast〉に、レイヴィーなシンセがビュンビュン飛び交うダセカ産〈Street Team〉使いのアップまで、リディムは予想以上に多彩です。これを聴くにつけ、絶頂期の逮捕劇が悔やまれてなりません。
bounce (C)山西絵美
タワーレコード(vol.359(2013年9月25日発行号)掲載)
Intreludeを各曲毎に挟み、起伏がある内容に仕上がっている。
オケもマイナーコードの物を多用し、聴きやすい。
中でも"Mama"は良作で、非常に心を打つ楽曲。