クリスチャン・マクブライドが、自身のユニット=インサイド・ストレイトの中で、一番新しく、フレッシュなメンバー2人を迎えてのトリオ作品。ピアノはクリスチャン・サンズ、ドラムには、<Criss Cross>からも作品をリリースしたことで注目を集めるユリシーズ・オーエンス。ストレート・アヘッドな演奏が満載の内容は、スウィンギーで、ブルージー、そして、極上のバラード演奏。ベースとハイハットの渋い出だしにブルージーなピアノのブロック・コード、そして、骨太なウォーキング・ベースのラインが滑り出し、最高なファンキー・ブルーズ・サウンドを聴かせてくれるオープニングからご機嫌です。1950年代のボビー・ティモンズ辺りも彷彿とさせるクリスチャン・サンズのピアノも、往年のファンを喜ばせるものと言えましょう。そして驚かされるのが3人の超絶な演奏。圧倒的としか言いようのないクリスチャンのベースを始め、3人が自在な演奏を繰り広げる"チェロキー"では、思わず笑ってしまいそうなほど。元々ジェイムス・ブラウンが大好きと語る大のソウル好きのマクブライド。ラストは意表をついて、ジョニー・テイラーの"Who's Making Love"で思い切りソウルフルに!
発売・販売元 提供資料(2013/07/03)
プロとして活動を始めて20年以上に渡るキャリアを誇る彼もまだ41歳。実はリーダーとしてのピアノトリオ作品は、これが初めてのリリース。コンテンポラリーなネタを封印して、徹底的にスイングしまくるファンキーなピアノトリオ。クライマックスで立ち上るクリスチャン・サンズのゴスペルの香りが濃厚で格別。ピアノトリオでしかできないアンサンブルの妙をぎっしりと濃縮したさすがの充実ぶり。
intoxicate (C)稲田利之
タワーレコード(vol.105(2013年8月20日発行号)掲載)