DJ活動13年にして"ROCKET MAN"のアイコンを取り払い、自分のスタイルで臨むryo fukawa名義の初アルバム。クラブDJやトラックメイカー、幼少期からのピアノなど、これまでに培った経験と実績で新たな世界を構築。ハウス、エレクトロはもちろん、クラシックのカヴァーからチルアウトまで、音楽性の引き出しの多さと、音楽への傾倒の深さを感じさせる一枚。 (C)RS
JMD(2013/06/06)
クラブDJとして、またトラックメイカーとして活動してきたこと、幼少期からのピアノ、アイスランドでの日々など、体で感じたことすべてが構築する、ふかわりょうの音の世界。
穏やかなラップのなかに強いメッセージが込められた「Goodbye to love」にはじまり、胸を掴まれてそのまま天国へと連れて行かれそうな「everynight」、壮大な大自然のなかに訪れるやわらかな朝の風景が浮かぶ「ordinary morning」を抜けると、降り注ぐ陽射しに気分も上がる「walkin'in the sunshine」。そしてCana(sotte bosse)のツヤのある声が奏でる「Mermaid」を聴けば、誰もが恋をしたくなるはず。
浮遊する音の中に散りばめられたコトバたちが、宇宙空間に誘う「the sound of stars」。また、CMなどでもおなじみの「My favorite things」やシャンソンの「la mer」、そしてクラシックからラヴェルの名曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」を大胆にリミックスするなど、やもすれば国境を越える可能性を秘めたトラックからは、彼の音楽の幅の広さが窺える。
加えて、やわらかな歌声とエレクトロサウンドが見事にマッチした「ALL I WANT IS MY MUSIC」、ラストトラックの「愛のガチモード」は、問答無用のアゲアゲチューンのなかに、彼のアーティストとしての自信と覚悟が感じられる。
アルバムと同タイトルの「life is music」は、どうか、目を閉じて聴いてもらいたい。
そうして、全体を通して聴けば、まるで映画を観終えた気分になる。「life is music」やがて、世界を包み込むコトバ。あなたの心に届きますように。
発売・販売元 提供資料(2013/05/28)
ふかわりょうが自主リリースした新作。資料によると〈アーティストとして覚悟を決めた〉のがROCKETMAN名義ではない理由だそうで、ラップを披露する冒頭の"Goodbye to love"からして、そんな思いは直接的に滲む。いわゆるシンガー・ソングライター性を深めた作品とも呼べようが、ハウス~エレクトロ、チルアウトなど好きな音楽への愛を自由に表現した内容自体が単純に素晴らしい。夏の終わりまで楽しめそうな好盤!
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.357(2013年7月25日発行号)掲載)