本作で2012年度ゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネートされた、リチャード・ギア主演のサスペンス。巨額の負債を背負ったことから、次々と事態が暗転していく大物ビジネスマン、ロバート・ミラーを熱演し高い評価を得た。一見完璧な成功者に見える主人公の二面性やモラルジレンマの葛藤。そして、窮地を掻い潜っていく並はずれた自信と機知、度胸を、ギアは柔和かつ時に傲慢に、ダンディな佇まいに揺れる機微をにじませ、見事に演じきっている。豪華な共演陣も本作の醍醐味の1つである。『Shall We Dance?シャル・ウィ・ダンス?』(04)でもギアと夫婦役を演じたオスカー女優、スーザン・サランドンがロバートの妻エレンを、そしてロバートに疑いの目を向け、執拗に追い詰めていくNY市警の刑事をティム・ロスが演じるなど、ハリウッドきっての実力派が共演。ロバートの愛人ジュリー役には世界的なファッション・モデルでもあるレティシア・カスタ、物語の鍵を握る黒人青年ジミー役にネイト・パーカー、そしてロバートの自慢の娘ブルック役に、第2のジョディ・フォスターとも言われるブリット・マーリングなど、若手注目株も顔を揃える。メガホンを取ったのは、初監督作である『The Outsider』で注目され、本作で劇場映画デビューを飾ったニコラス・ジャレッキー。生粋のニューヨークっ子である彼は、子供の頃から見知ったNY金融業界と、マンハッタンの華麗なセレブ社会を舞台に、瞬時で巨額が動くマネービジネスの緊迫感を、5日間という限られた時間の中でテンポよく描きだした。損失と隠蔽、過失とアリバイ工作、黙秘と誤算、不倫と家庭崩壊が交錯する、予想を許さない緻密なドラマ展開でその才能を発揮。今までに類のない、都会派マネー・サスペンスがここに完成!新人監督ながら脚本の出来の良さから、フランソワ・オゾン監督作『スイミング・プール』などで手腕を振るう、フランスの気鋭撮影監督ヨリック・ル・ソーほか国境を越えて強力なスタッフが集結。ニューヨークの街の魅力を、余すところなくスクリーンに刻み込んだ。

発売・販売元 提供資料 （2013/05/22）