フォーマット |
CD |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
国内 |
パッケージ仕様 |
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発売日 |
2013年06月02日 |
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規格品番 |
KCCD-535 |
レーベル |
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SKU |
4544719014553 |
構成数 | 1枚
合計収録時間 | 00:41:42
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正直なところ、CSSのニュー・アルバムに不安がなかったと言えば嘘になる。何しろ、彼女たちの自由奔放で開放的な魅力が凝縮された傑作『La Liberacion』(2011年)のリリース後、ベーシストのアドリアーノ・シントラが脱退。曲作りやアレンジ、そして演奏面でも要となっていた影の主人公を失ったことは、グループにとって大きな痛手だったに違いない。しかし、いまや4人組のガールズ・バンドとなったCSSは、そこで思い切って果敢な冒険に打って出た。それがこの4枚目のアルバム『Planta』である。もっとも大きなトピックは、やはりデヴィッド・シーテックをプロデューサーに迎えたことだろう。TVオン・ザ・レディオの頭脳であり、その先鋭的な音作りでプロデューサーとしても定評のある彼は、バンドの演奏をそのまま録音するのではなく、いっしょになって音を作り込んでいくタイプ。現在のCSSにとって、このうえなく頼もしいパートナーだったはずだ。「一晩中レコーディングに取り掛かって、午前2時にみんなでプールに飛び込んだりしていたわ。ルールもないし、自発性が求められるぶん、とてもクリエイティヴな環境だったかな。デヴィッド自身のヴィジョンがあって、私たちの曲を具現化するのを助けてくれたの。私たちそれぞれの良いところを強調して、それを曲に調和させてくれたのよ」(アナ・レゼンデ、ギター/シンセサイザー)。そのようにして出来上がった楽曲の数々は、どちらかと言えばオーソドックスなギター/シンセ・ポップを得意としていたCSSをイメージして聴くと面喰らうような、何とも大胆な挑戦が満載である。デヴィッドらしいダビーでサイケデリックなサウンドがいきなり爆発する1曲目の"Honey"、ランシドのティム・アームストロングと共作したスペイシーで「未来的なレゲトン"Hangover"、鋭利な攻撃性を宿したパンク・ナンバー"Dynamite"(ゴシップのハンナがゲスト参加)、そしてCSS流の電子ファンク・ポップ"Too Hot"などなど。「例えば"Hangover"は、若くあることや楽しい時間を過ごすことを意味しているの」とアナが説明するように、歌詞のテーマは従来の路線を踏襲したものも多いのだろう。メロディーにも相変わらずCSSならではのチャームが感じられる。しかしながらプロダクション面は、彼女たちのディスコグラフィーのなかで、今回のアルバムがいちばん耳を驚かせてくれることは疑いようもない。これまでは良くも悪くも〈らしい〉アルバムを手堅く送り出してきたCSSだが、4作目ともなると、そろそろ新展開を迎えていい頃だ。そういった意味で、アドリアーノの脱退は好転機となったのだろう。これまで強く感じられた破天荒なエネルギーや底抜けの明るさが少しばかり後退している点は寂しくもあるが、何よりも臆することなく新しい世界へと一歩踏み出した彼女たちに、まずは称賛の声を送りたい。
bounce (C)小林祥晴タワーレコード (vol.355(2013年5月25日発行号)掲載)
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