本作は、相対性理論にとって『シンクロニシティーン』以来3年3か月振りのオリジナル・アルバム。やくしまるえつこ(ヴォーカル/dimtakt)、永井聖一(ギター)、吉田匡(ベース)、山口元輝(ドラムス/パーカッション)、itoken(ドラムス/パーカッションほか)、zAk(サウンド・エンジニア)という編成となってから初のオリジナル作です。
AVEX
発売・販売元 提供資料(2013/04/09)
リズム隊が一新し、クリムゾンのごとく新生、第2期を告げる今作。もともとバンド自身が「ソフトウェア」と称する概念の集合体なので、その音変化は寧ろ必然。聴く者の様々な反応は、更新するポップ・ミュージックについて、あるいは自身の音楽についての捉え方を問いただすことになるだろう。まるで革新の確信犯。何かと「定義」を以て安心を決めこむ保守派層の手をすり抜けて、またもや5分先の未来で彼らは待っている。
intoxicate (C)水上渉
タワーレコード(vol.105(2013年8月20日発行号)掲載)
オリジナルとしては3年3か月ぶりの3作目。真部脩一と西浦謙助が離れて初のアルバムだが、ギターや鍵盤によるフレーズをバランス良く交差させた演奏の上で、小刻みに連打されるリズミックなメロディーを配した曲が多く、その点では主に『シンクロニシティーン』(2010年)以降の路線を無理なく拡張している。が、過剰なアレンジを取り除き、あくまでシンプルな歌ものとして完成させている印象だ。そんななか、変拍子を採り入れた室内楽(ヴァイオリンなどをフィーチャー)のような"キッズ・ノーリターン"、ギター1本をバックに始まる素朴な"ほうき星"あたりに新機軸が。現在の東京都心とニュータウン化する郊外とを鮮やかに対比させた歌詞も、かつての岡崎京子の漫画に対する返答のようで興味深い。
bounce (C)岡村詩野
タワーレコード(vol.357(2013年7月25日発行号)掲載)