ミナスの森のチェンバー・ポップ、21世紀の『クルビ・ダ・エスキーナ』。NRTの新シリーズ<quiet border>第5弾は、アントニオ・ロウレイロなど新しい才能を輩出するブラジル・ミナスシーンの象徴的な傑作『マカシェイラ・フィールズ』。弱冠21才(録音時)のシンガー/作曲家/フルート奏者、アレシャンドリ・アンドレスのセカンド・アルバムとなる本作は、現代ブラジル~南米音楽界を席巻するミナスの新世代ミュージシャンたちが勢揃い。フレッシュな才能が家族的なつながりのもとにたびたび集結し、それぞれのソロ・ワークに反映されていくさまは、70'sミナスのミュージシャンズ・サークルの呼称であり、ミルトン・ナシメントらによる記念碑的名作『クルビ・ダ・エスキーナ』の21世紀版を思わせる。音楽監督は現代ブラジル最高のピアニスト/アレンジャー、アンドレ・メマーリで、ミナスの神秘的な自然を表現したかのような編曲とプロダクションは最高の一言。ビートルズの影響を思わせるポップなメロディと、ミナスらしい内省が交差する本人の作曲能力も群を抜いている。現代ブラジルを代表する二大実力派女性シンガー、タチアナ・パーハとモニカ・サルマーゾの二人に加えて、アルゼンチン・モダン・フォルクローレの看板的シンガー、フアン・キンテーロ(アカ・セカ・トリオ)のゲスト参加も見逃せない。
発売・販売元 提供資料(2013/05/31)
近年注目を集めているミナスの新世代たち。アントニオ・ロウレイロと並び、同シーンの中核的な存在であるアレシャンドリ(現在22歳)の2012年作が嬉しい日本盤化です。そのアントニオやアンドレ・メマーリ、タチアナ・パーハなども招き、管弦楽器の精緻なアンサンブルとピュアな歌声によって優雅なチェンバー・ポップを披露。〈2010年代のミルトン・ナシメント『ClubeDa Esquina』!〉とか書いたら褒めすぎでしょうか?
bounce (C)斎藤遠太
タワーレコード(vol.355(2013年5月25日発行号)掲載)