1959年にジャック・シェルドン(tp)、フリップ・フィリップス(ts)、レッド・ノーヴォ(vibes)、そしてアニタ・オデイ(vo)などを引き連れてベニー・グッドマンが行った欧州ツアーから、10月15日のフライブルクでの公演を収めた未発表音源のCD化。このグッドマンのオール・スター・バンドは、10月3日のミュンヘンでのコンサートから始まり、3週間にわたり、ドイツの他にもフランス、スウェーデン、スイス、オーストリアそしてアルジェリアの20の都市をめぐり、いくつかのコンサートがLP化されてもいますが、本公演は、他公演とは、内容も違っており、また1950年代とは思えないクリアな音源も大きな魅力です。コンサートはグッドマン楽団のテーマ曲"Let's Dance"からスタート。軽快にスウィングするサウンドは、グッドマンならではで、会場の歓声からも当日の盛り上がりを感じます。そして、何と言ってもこの音源の魅力は、グッドマン楽団のアンサンブルに加えて、アニタ・オデイの素晴らしいパフォーマンスが聴けることでしょう。ファッツ・ウォーラーの可憐なメロディが魅力な名曲"ハニーサックル・ローズ"からスウィング感も抜群に、バンドとも<あうんの呼吸>のノリ。それは軽妙にして洒脱、正に古きジャズの香りが満ち満ちた演奏と歌の共演。また、織り込まれたユーモアや、アドリブの余裕も絶妙にして絶品。アニタがロイ・エルドリッジと掛け合いで歌って有名になったナンバー"Let Me Off Up Town"が、ここではロイ・エルドリッジの代わりにジャック・シェルドンとの掛け合いに。「ヘイ・ロイ」と云う呼びかけに「俺は、ロイじゃない、ジャックだよ」と云うやりとりが見られるなど、メンバーのユーモアも滲み出て、微笑ましさも溢れています。1959年は、ジャズの名画として余りにも有名な『真夏の夜のジャズ』でのステージの翌年。その映画でアニタはラストに登場し、作品を美しく締めくくり、ジャズ・ファンのみならず映画ファンからも注目されることになりましたが、広くファンを魅了するのは、言うまでもなく歌い手の実力の証明で、そんな時期のこの録音は大変貴重と言えます。
発売・販売元 提供資料(2013/03/26)