ゴリラズのバンドメンバーであるジェシー・ハケットがナイロビのミュージシャン達とコラボレーションしたバンド、オウニー・シゴマ・バンドがアルバム『Power Punch』を<Brownswood>よりリリース。11年にリリースされた1stアルバムではブラーのデーモン・アルバーンが参加し、ブラック・ミュージック系音楽賞「MOBO Awards」にノミネートされ、ワールド・ミュージックファンのみならず様々な音楽愛好家を唸らせた。オウニー・シゴマ・バンドは、ケニアの伝統的な手法と、UKのスタイルを組み合わせ、全く新しい音楽を生み出している。『Power Punch』はそのタイトルが示す通り最高のパワーを持つ、光輝くようなアルバムである。今作で、オウニー・シゴマ・バンドは音楽が持つダイナミズムというものを取り戻した。チャールズとジョセフという2人をロンドンに招いて作られたこのアルバムには、その2人が持つ音楽性が如実に現れている。『Power Punch』では持ち前のしなやかなグルーヴは保ちつつ、凄まじい熱量が溢れている。それはまるでロンドンの音楽的多様性がアフリカの太陽に照らされているようだ。現在アフリカ諸国では熱心にハウスやヒップホップの探求が続けられており、『Power Punch』においてはそうした今のアフリカへの目配せも忘れてはいない。彼等は東アフリカの新旧の音楽を紡ぎ、そこにユニバーサルな感覚を持たせた。
DIS
発売・販売元 提供資料(2013/03/11)
ジェシー・ハケット(ゴリラズ)を中心にナイロビのミュージシャンなどで結成されたグループのセカンド・アルバム。セッションをもとに東アフリカのフォーク・ソングを磨き上げていて、呪術的な歌と反復リズム、超重低音のベースによる人力ミニマル・ミュージックが、痺れるような快感をもたらしてくれます。オシュンラデあたりのディープ・ハウス好きにもヒットしそうな仕上がりですよ。
bounce (C)西尾洋儀
タワーレコード(vol.354(2013年4月25日発行号)掲載)