最も美しく麗しい10年代エレクトロニカの最高到達点! ニンジャ・チューン屈指の抒情派にして、本国UKやヨーロッパではフライング・ロータスと並ぶほど絶大な人気を誇るボノボの通算5作目となる『ザ・ノース・ボーダーズ』。本作は2010年にリリースされた傑作『ブラック・サンズ』の多様なエレクトロニカ・サウンドの系譜を受け継ぎながら、ビート・プロダクションは4/4や2ステップなどよりダンサブルなものへ進化を遂げ、そのミニマルな構造はボノボ・サウンドの真骨頂ともいえるノスタルジーとメロウな情感が過去最高に溢れだす仕上がりに! また、収録曲「Saphire」にはフライング・ロータス『アンティル・ザ・クワイエット・カムス』への参加も記憶に新しいネオ・ソウルの女王エリカ・バドゥが参加し、幽玄でグリッチーな2ステップ・ビートの上を近年稀に見る切なくジャジーな歌声を披露。そして、「Transits」ではUKフォーキー・ソウルの才媛ジュアディーンがエキゾチックなガラージ・ビートの隙間から儚げな美声を立ち昇らせる。その一方で、キャッチーなスウィングと自由で広大なメロディーが融け合う「Emkay」や、ビートのミニマリズムと反復するカリンバの音から溢れ出すエモーショナルな高揚感がさらなる美しさを求めてじわじわと上昇していく先行シングル「Cirrus」などのインスト曲ではその意匠を遺憾なく発揮し、息を飲むほど美しいコントラストで配されている。美麗なアートワークを携えた本作は今までのボノボ・ファンからは歓喜の声を持って迎えられ、フォー・テットの名盤『There Is Love In You』に続く一枚を探し続けるエレクトロニカ・リスナーにとってはその旅路に終止符を打つ一枚となるだろう。
DIS
発売・販売元 提供資料(2013/02/05)
お待ちかねの新作はハウスや2ステップを交えつつ、名人芸の極上ダウンテンポでロマンティックな世界を優しく築き上げた安心のボノボ節。エリカ・バドゥの言霊が宇宙遊泳する"Heaven For The Sinner"やガムランが鳴らす宝石のようなメロディーとビート反復でダンスへ誘い込む洗練ハウス"Cirrus"など、歌モノもインストも冴えまくり。甘美な音色でダンスとチルの二重の欲求を満たしてくれます!
bounce (C)佐藤大作
タワーレコード(vol.353(2013年3月25日発行号)掲載)