"現代のビリー・ホリデイ"の異名をとる女性シンガー・ソングライター、マデリン・ペルー。2011年『Standing on the Rooftop』以来、約2年振りとなる2013年アルバム。2004年の大ヒット作『Careless Love』でコンビを組んだ大物プロデューサー、ラリー・クラインを再び迎え、レイ・チャールズが伝統的なカントリー曲をカヴァーした1962年作品『Modern Sounds in Country & Western Music』を下敷きに、過去の名曲を新たな解釈で現代に甦らせる作業に取り組んだ意欲作。取り上げられたのはそのレイ・チャールズの作品にも収録されていた"Bye Bye Love"、"Born To Lose"、"I Can't Stop Loving You"、"You Don't Know Me"の4曲に加え、ハンク・ウィリアムス"Take These Chains"、バディ・ホリー"Changing All Those Changes"、ランンディ・ニューマン"Guilty"、レナード・コーエン"Bird On The Wire"、グレン・キャンベル"Gentle On My Mind"、ウォーレン・ジヴォン"Desperadoes Under The Eaves"の6曲。いずれもアメリカの古き良き時代の音楽エッセンスを伝える名曲ばかり。プロデューサーのラリー・クラインは、ジョニ・ミッチェルのパートナーとして知られ、ハービー・ハンコック、トレイシー・チャップマン他の作品でも見事な手腕を見せた実力派。バック・ミュージシャン陣は、ギターにディーン・パークス、ドラムにジェイ・ベルローズ、キーボードにラリー・ゴールディングス、ベースにデヴィッド・ピルッチと腕利きが揃う。
発売・販売元 提供資料(2013/02/14)
マデリン・ペルーの7作目となるアルバムで、プロデューサーにはラリー・クラインが参加。全編に漂うアメリカーナな雰囲気が独特で、60 年代のレイ・チャールズのアルバムへのオマージュもあり、カヴァー曲はバディ・ホリー、ランディ・ニューマン、レナード・コーエンなどのユニークな選曲。バックにはヴィンス・メンドーサによる広大な青空を思わせるストリングス・アレンジが広がる。ゆったりと流れてゆく穏かな時間。
intoxicate (C)馬場雅之
タワーレコード(vol.103(2013年4月20日発行号)掲載)
これは出世作『Careless Love』(2004年)をプロデュースしたラリー・クラインとの再会作にして、マデリンのキャリアのなかでも重要な一枚になりそうなもの。リズム&ブルース・シンガーとしてキャリアを築いてきたレイ・チャールズが、カントリー&ウェスタンを歌ったことで話題になった62年の『Modern Sounds In Country &Western Music』を、半世紀経ったいま改めて解釈し直した作品だ。カントリーもソウルもジャズもブルースも、分け隔てなく自由かつ本能的に表現できたのがレイだが、出自は異なれどマデリンもそういう折衷的で本能的な歌手。そんな自身の在り方を再確認しつつ歌う彼女の声から、粋と温かみが滲み出る。気品の感じられる編曲と演奏も素晴らしい。
bounce (C)内本順一
タワーレコード(vol.353(2013年3月25日発行号)掲載)