グラミー賞受賞バンド、ブラック・キーズのフロントマンであるダン・オーバック全面プロデュースによるデビュー・アルバム(2012年作品)。ジョアンナ・ニューサム直系の歌声は瞬く間に世界を魅了し、ジェイク・バグやローリング・ストーンズとも共演を果たした。ヒットシングル「Workin' Woman Blues」を含む全11曲を収録。ブッカー・T.ジョーンズ参加。
発売・販売元 提供資料(2017/02/02)
デルタ・ブルース風のギターで始まり、途中からホーンが入ってアフロ・ファンクっぽく展開していく冒頭曲だけで魂を鷲掴みされるが、その後も胸の奥が疼かずにいられないナンバーばかり。ミシェル・ンデゲオチェロによるニーナ・シモンのトリビュート盤でもフィーチャーされていた、テネシー生まれのシンガー・ソングライターが放った初作だ。エイミー・ワインハウスを初めて聴いた時のことを思い出したのは、上手いというより耳に残ってしょうがない、クセと味のある歌をサラリと聴かせつつ、深い印象を残すから。ブルース、ソウル、カントリー、ゴスペルとその跨ぎ方は柔軟だが、密度はどれも濃く、上っ面なところがまるでない。制作にあたったダン・オーバックの仕事ぶりも的確な傑作です。
bounce (C)内本順一
タワーレコード(vol.355(2013年5月25日発行号)掲載)