ブルース、フォークをベースにしたオーセンティックかつエモーショナルなサウンドで定評のあるカリフォルニア出身のシンガー・ソングライター、ベン・ハーパーが伝説のブルース・ハープ奏者、チャーリー・マッスルホワイトとの共演で制作したスタックス・レーベル移籍第1弾作品。1994年『Welcome To The Cruel World』でデビュー。2度のグラミー賞に輝き、近年はベン・ハーパー&リレントレス7として活動。本作からソウルの名門レーベル"STAX"へと移籍を果たし、心機一転、そのルーツを更に奥深く辿る新作のリリースが実現した。共演のチャーリー・マッスルホワイトは1944年米ミシシッピ州出身で、1960年代のシカゴ・ブルース全盛期から活躍する伝説のブルース・ハープ奏者。リトル・ウォルター、ロバート・ナイトホーク、サニー・ボーイ・ウィリアムソンIIといった錚々たる面々との共演でも知られる正真正銘のブルースマン。なんと言ってもこの両者のブルース魂の激突が本作の最大の聴きどころである。全曲、ハーパーの作曲または共作。1stシングルは「I Don't Believe A Word You Say」。本デラックス・エディションにはメイキング映像やライヴ映像3曲を収録したDVDがボーナス収録。
発売・販売元 提供資料(2012/12/26)
何とサザン・ソウルの名門、スタックスから登場したベン・ハーパーの新作だ。ジャケの左に映っている爺さんは白人ブルース・ハーピストの第一人者、チャーリー・マッセルホワイト(シンディ・ローパー『Memphis Blues』に全面参加していましたっけ)。ベンたっての希望でコラボ盤の実現と相なった。バンド編成のヘヴィーなロック曲もあるが、大半はほぼ2人だけのブルース。ベンのスライドにチャーリー爺のハープが重なる瞬間の、スリリングなことと言ったら! まろやかに溶け合うというより、その様は〈ザ・激突〉。バチバチと火花が飛び散りまくっている。曲はほぼベンが手掛けているが(共作もあり)、ここまで深くルーツを辿ってその音を血肉にできるのは、並大抵のことじゃない。ライヴが観たい。
bounce (C)内本順一
タワーレコード(vol.352(2013年2月25日発行号)掲載)