ビートルズの作曲法 名曲に隠されたメロディ/コード/アレンジの秘密を解明する

構成数 : 1枚
目次 : CONTENTS
■第1章:ヘイ・ジュード
1.多面的な楽曲構成が強い説得力と大きな高揚をもたらす
2.ペンタトニックと長旋法 複数の旋法を自由に行き来
3.''しりとり''と''あたまとり''でスムーズにつながるメロディ
4.強い開始とあいまいな終止
5.シンプルなコード進行で複雑なサウンドを実現
6.歌を引き立てる低音域中心のピアノ 言葉を浮かび上がらせる字ハモ
7.ゴスペルを思わせるアレンジが慰めを祈りへと昇華する

■第2章:ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
1.セクションそれぞれに印象的な導入部分を配置する
2.下行するフレージングによるリラックスした感覚
3.歌詞とメロディの繰り返しが重層的な意味を作る
4.ブルーノートの多重使用によりどこまでも落ちていく
5.逆ブルーノートによりあっけらかんとした非現実感を表出
6.ブルーノート・コードによりオーソドックスな機能和声の外へ
7.イレギュラーなコードと滑らかで穏やかな進行の併存
8.自由な拍子と音符の長さ ジョン独特の伸び縮みする時間
9.バンド演奏にさまざまな楽器が加わったカラフルなサウンド
10.現実感の喪失が彼方へといざなう

■第3章:イエスタデイ
1.繰り返されるAセクションが深い感慨を呼び起こす
2.倚音を利用して複雑なサウンドを実現
3.同じ音形(モチーフ)を活用して有機的に楽曲を構成する
4.上行と下行、順次進行と跳躍進行 性格の対照による構築的なメロディ
5.柔らかなアーメン終止とブルーノート・コードの併用
6.長調と短調の間を揺れ動く調性
7.ポピュラー音楽の文脈と異なるストリングス・アレンジ
8.クラシカルな弦楽四重奏でビートルズ的フレーズを演奏する

■第4章:ヘルプ
1.初期ビートルズらしいオーソドックスな構成
2.メンバーを次々にフォーカスしバンドの存在感をアピール
3.3人のボーカリストを活かした多彩なコーラス・ワーク
4.今も新鮮さを失わない絶妙のテンポ感とグルーブ
5.同音を繰り返すひたむきで切実なメロディ
6.ブルーノート・コードと下行音階進行 シンプルだがすでにビートリー
7.コード外音など複数の技法がバンド・サウンドと密接に結び付く

■第5章:ヒア・カムズ・ザ・サン
1.奇数小節や変拍子を含む自由かつ高度に完成された構成
2.ウラ拍の多用と弱拍からの開始 ジョージ独特の優しいメロディ
3.ギターならではのフレーズと一体になった構成
4.ビートルズで多用される低音の下行音階進行
5.ベースに同じ音を保持することでスケールの大きなサウンドに
6.当時最新鋭のシンセサイザーから最良のサウンドを引き出す
7.ギターのアルペジオを発展させてクライマックスを演出する