USインディを代表するシンガー・ソングライターとして、その地位を揺るぎないものにしつつあるアンドリュー・バードが2012年にリリースした大ブレイク・アルバム『Break It Yourself』のスピン・オフ的作品集。ヴァン・モリソンやジョーン・バエズも歌った名トラディショナル「Railroad Bill」のカヴァー曲は必聴。 (C)RS
JMD(2012/12/18)
2012年にリリースされた3年振りとなるアルバム『Break It Yourself』がまたしてもUSで大ブレイク、名実共に当代USインディを代表するSSWとしてその地位を揺るぎないものにしつつあるシカゴの天才=アンドリュー・バード。本作は、その人気作『Break It Yourself』には収録しきれなかった8曲(オリジナル4曲、カヴァー4曲)をパッケージ化したスピン・オフ作品! オリジナル楽曲の歌詞対訳付! 収録楽曲は、ヴァン・モリソンやジョーン・バエズも歌った名トラディショナル「Raillroad Bill」、オルタナ・カントリーのベテラン夫婦デュオ=ハンサム・ファミリー「When That Helicopter Comes」、ボブ・ディランやイヴァン・ダンドゥからノラ・ジョーンズまで世代を越え様々なアーティストから愛でられた音の旅人=タウンズ・ヴァン・ザントの「If I Needed You」、アルファ・コンシューマー(メンバーのジェレミーはアンドリュー・バードのバンド・メンバーでもあり、本作にも参加)の「Spirograph」というカヴァー4曲と、『Break It Yourself』収録曲のリワークとなる「Orpheo」、壮大なエンディング曲「Beyond the Valley of the Three White Horses」、そして「Something Biblical」の珠玉な計8曲! ここ最近のツアーにおける“オールド・タイミー"なセットの好評に後押しされて制作されたという本作は、彼が音楽を始めた当初から親しんできた、身体の奥底にまで染み込んだ古き良き時代のスウィング、ブルース、カントリーやスキッフルのリズムと匂いを、ドラムにドッシュ、ギターにジェレミーといつも通りの気のおけない仲間たちと共に、バード流のうたとバイオリンの上でサラリと解き放ったアルバムで、シンプルで飾り気のない、生のままのサウンドスケープが魅力的です。
発売・販売元 提供資料(2012/11/28)
2012年3月発表の『Break ItYourself』が全米10位を記録したシカゴのシンガー/ヴァイオリニスト。そのヒット作に収録しきれなかった8曲がCD化された。とはいえ、アウトテイク集などと思うなかれ。こちらもトラディショナルな表現とオルタナな感性が見事に交差した、現代アメリカーナの傑作となっている。ヴァン・モリソンの名唱で知られるスタンダード“Railroad Bill"を披露するなど、ルーツが窺えるところも嬉しい。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.351(2012年12月25日発行号)掲載)