Luomo他様々なソロ名義やMoritz Von Oswald Trioのメンバーとして活躍するエレクトロニック・ミュージック界の若き重鎮、サス・リパッティが名門電子音響レーベルraster-notonよりヴラディスラヴ・ディレイ名義の通算11枚目となるアルバム『クオピオ』をリリース!自然のかけらやフィンランドの広大なランドスケープを喚起させるサウンドを描こうとした前作『Vantaa』に続き、本作『Kuopio』でもフィンランドの風景や、その地理的に孤立した魅力を描きだすことをさらに探求している。『Kuopio』に先行してリリースされた12インチ『Espoo』でもすでに片鱗を見せていた、突き進むようにエネルギッシュなリズムが本作では重要な役割を果たしている(ちなみにトラック6の「Kulkee」とは、前に進むという意味)。テクノとダブにオーガニックなテクスチャーやエクスペリメンタルな要素を融合させて、高度なマニピュレーションから生み出される、複雑に繊細に絡み合う様々なリズムやサウンドのヴァリエーション。それはリスナーの無意識の中に密度の濃いサウンド空間を徐々に形成していき、知らず知らずのうちにディープで洗練されたディレイの音の宇宙に誘われる。
インパートメント
発売・販売元 提供資料(2012/11/09)
ルオモ名義やモーリッツ・フォン・オズワルド・トリオのメンバーとしてもお馴染みの奇才による新作です。テクノ、ダブ・ミニマル、エレクトロニカ寄りのエクスペリメンタルなジャズといった感じの、ユニークなサウンドを展開。さまざまなリズムが複雑に絡まったヒプノティックでドープな音世界は、ちょっと他に例えが見つからないですね。でも難解なようでいて耳通りは良く、何よりそこにいちばん驚いたかも。
bounce (C)小松健一郎
タワーレコード(vol.351(2012年12月25日発行号)掲載)
ルオモ名義の他、モーリッツ・フォン・オズワルド・トリオでも活躍する奇才サス・リパッティによるプロジェクトの11作目がラスター・ノトンより。鍛え抜かれた強靭なビートがこれでもかと打ち続ける中、幾重にもレイヤードされていく深遠なディレイが音に一層の広がりを感じさせてくれる。フィンランドの広大なランドスケープを喚起させるとはこの事なのだろう。北欧が育んだベーシックチャンネル直系のミニマル・ダブここに極まる。
intoxicate (C)木村陽平
タワーレコード(vol.101(2012年12月10日発行号)掲載)