2011年、シングル「Tonight is the Night」で突如チャートに降臨した、ニューヨーク出身のシンガーソングライター、OUTASIGHT(アウタサイト)。その「Tonight is the Night」は全米のラジオ局で掛かりまくっただけでなく、PEPSI、HONDA、PIZZA HUTといった有名企業の広告キャンペーンに取り上げられたり「X-FACTOR」、「LATE NIGHT with JIMMY FALLON」と言った人気TV番組で演奏されたりと、まさに「誰もが耳にしたことのある」状態でたちまちプラチナ・シングルに! ヒット・シングルを懐に、Cobra Starship、3OH!3、Gym Class Heroesといった人気アーティスト達と一緒にツアーを回り、2012年のロラパルーザでは、ブレイク前のレディ・ガガ(2007年)やKE$HA(2009年)が登場したことでも知られる、BMIステージでパフォーマンスを行ってきた彼が、いよいよ満を持してデビュー・アルバムをリリース! 音楽の道を進むために大学をドロップアウトしたアウトサイトは、「Employee of the Year」(2007年)や「Radio New York」(2008年)といったミックステープを次々とリリースし、やがてMySpaceで3日連続フィーチャーされるようになり、MTVの学生向けチャンネル、MTV Uのフレッシュマン・アウォードを獲得する。そのような形で徐々に知名度を上げていった彼は、2009年、3本目のミックステープ「From There to Here」をリリースした後、ライアン・レスリーのNY公演のオープニングを務める。そのパフォーマンスでの評判がワーナーブラザースの目に留まり、ただちにミーティングが持たれ、契約を結ぶこととなった。「どの曲にも俺の真実が、そして俺のリアル・ストーリ―が詰まっている」と語る、来るべきヒットメイカーのヒストリー、そしてフューチャーがこのアルバムにある。
発売・販売元 提供資料(2012/11/09)
キッド・デイトナやタリブ・クウェリと共演歴もあり、以前のミックステープではもっとMC然としていたヨンカースっ子が、超ポップに振り切れてメジャー入り。出自はマイク・ポスナーにも近いが、彼はもっと器用で最高に下世話だ。日本ではニーヴ&クックで著名なクック・クラシックスを軸に、大注目のアンドリュー・ゴールドスタイン(ホット・シェル・レイ、ブリジット・メンドラー他)やブランドン・ロウリー(ラナ・デル・レイ他)、アウル・シティといった青春料理人たちがプロデュースを担い、文中の固有名詞の印象を全盛りしたような一作に仕立てている。ブルージーな歌心と達者なラップを自在に繰り、カントリーもEDMも大好きな青春の1ページ。恐るべき既聴感の連続だけど、楽しいからいいでしょ!
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.351(2012年12月25日発行号)掲載)