ファジョーリ、ロッシーニに挑む!
ロッシーニの「パルミラのアウレリアーノ」映像初登場!
超レアものなのに知ってる曲あちこち?!
森雅史も出演。日本語あらすじ付き
珍しいオペラを上演することで知られている南イタリア、マルティーナ・フランカのイトリアの谷音楽祭が2011年に取り上げたのは、ロッシーニのオペラの中でも特に珍しいものの一つ、「パルミラのアウレリアーノ」。この作品は、ロッシーニのオペラでは唯一カストラート歌手(アルサーチェ役のジョヴァンニ・バッティスタ・ヴェッルーティ 1780-1861)を想定したものとしても知られています。1813年12月26日にミラノのスカラ座のカーニヴァルシーズンの開幕を飾りましたが、その直前にタイトルロールを歌う予定だった名テノール、ジョヴァンニ・ダヴィドが降りてしまったこともあり、、初演は成功を収められませんでした。しかしこのオペラの優れた曲は多々後の作品に再利用されています。中でも序曲は、今日「セビリアの理髪師」序曲としてあまりにも有名なあの曲そのものです(ロッシーニはその前に、いくらか手直しをした上で「英国女王エリザベッタ」の序曲でも利用しています)。また第1幕冒頭の合唱はやはり「セビリアの理髪師」の"空は微笑み"の旋律、などなど。ロッシーニ好きならあちこちに聞き覚えのある音楽を見つけられるでしょう。タイトルロールのボグダン・ミハイは、今注目の若いロッシーニ・テノール。ルーマニアのブカレスト出身。ヴァイオリンを学んだ後、バリトンとして修行を積んでいた時、ミレッラ・フレーニにテノール転向を勧められ、すぐに成功を収めました。7月にこの「パルミラのアウレリアーノ」を歌った直後、ペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルで「アデライデ・ディ・ボルゴーニャ」に出演、大喝采を浴びました。ロッシーニ・テノールとして今後ますます活躍が期待される逸材です。フランコ・ファジョーリは、バロック声楽ものが好きならご存知のカウンターテノール。1981年、アルゼンチンのトゥクマン生まれ。逸材が続出するカウンターテノールの中にあっても特に傑出した歌手として活躍しています。ゼノービアのマリア・アレイダはキューバ出身の若いソプラノ。彼女もこの公演の後、ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルでの「ランスへの旅」でフォルヴィル伯爵夫人を歌い、翌2012年には「ブルスキーノ氏」のソフィアを歌っています。ゼノービアにはかなり難しいアリアがありますが、アレイダが見事に歌いきり、ボローニャ歌劇場来日公演のベッリーニ「清教徒」にも出演した森雅史がリチーニョを歌っています。
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2012/10/01)
ジャコモ・サグリパンティは、1982年生まれ、2009年にオペラのデビューを果たしたばかりの若いイタリアの指揮者。しかし、ここでの指揮で分かる通り、既にかなり完成度の高い音楽を聞かせてくれます。翌年マルティーナ・フランカに戻り、ベッリーニの「ザイーラ」を指揮しました。
ティモシー・ネルソンは、米国バージニア州クリスチャンズバーグ生まれの若い演出家。ここでは、ローマ帝国のパルミラ侵攻を、1941年に英国がフランス・ヴィシー政権支配下にあるシリアに攻め入った歴史と重ねており、ローマ兵はスコットランドのキルト姿、パルミラの人々はアラブ人風。
会場は屋根の無い屋外劇場ですが、四方を壁に囲まれているので、映像ではさほど屋外を意識することはありません。
解説冊子に詳しい日本語あらすじがあります。
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2012/10/01)