アヴィシャイ・コーエン(tp)、オマー・アヴィタル(ds)、ナシート・ウェイツ(ds)、果敢なる挑戦が飛び出す究極のトリオ作! 2003年に、ジョン・サリヴァン、ジェフ・バラードとのトリオ作『The Trumpet Player』でシーンに突如として圧倒的なインパクトを与えたアヴィシャイ・コーエン。ピアノレスでのこのフォーマットはお得意と思われますが、それにしても素晴らしい。鋭くも華麗で高らかなトランペットの音、三位一体となったインプロの絡み合い、例によって、自在にリズムや旋律を操りつつ、緩急も巧みに、バンドをグイグイに引っぱるオマーのベース、全てが出来過ぎなくらい、決まってます。この演奏、現代において、間違いなく、最高峰と言って間違いないでしょう。しかも、オリジナルに加えて、選ぶ曲も貫禄いっぱい。オーネット・コールマンに、ドン・チェリー、チャールズ・ミンガス。選ぶだけなら誰でも出来ますが、ハーモニーの規制から音楽を自由に解き放ち、ジャズ史の中でも本質的に自在な演奏を描き上げた音楽家たちの曲を、現代において肉迫して演奏できる人はなかなかいません。ミュートを活かした渋い“ウィロー・ウィープ・フォー・ミー”、ディジー・ガレスピーの“ウッディン・ユー”でビ・バップの粋も表現する、正に温故知新、伝統と現代性を兼ね備えた演奏、聴けば聴くほど唸らせられます。録音は2010年の12月、『Introducing Triveni』と同日録音にして、このクオリティ。本領発揮とも言えそうな、果敢なる挑戦が魅力の作品。
発売・販売元 提供資料(2012/11/21)
同郷のベース奏者と同姓同名ではありますが、こちらはトランペットのアヴィシャイのピアノレスでのトランペット・トリオ・プロジェクト第二弾。オマー・アヴィタル(b)とナシート・ウェイツ(ds)というコンビネーションも聴きごたえあり。歴代のトランペット奏者へのリスペクトやスタンダードを素材に、プレイを通して現在進行形なジャズの姿を浮き彫りにした彼の誠実さと濃厚にやんちゃなリズム隊のインタープレイが素晴らしい。
intoxicate (C)稲田利之
タワーレコード(vol.101(2012年12月10日発行号)掲載)