2年ぶり10作目のオリジナル・アルバム。時代を生き抜くための音が詰まった全5 曲。ツイン・ドラムの高速ビートで駆け抜ける《D. D. E .》は宇宙空間をワープしているかのような疾走感。圧巻は21分の大作《R E ZO》。不思議な音の反復から始まり、流れるように入り込んでくるヴァイオリン。そこにひとつふたつと音の魂が宿り、穏やかな時を経て、徐々に高揚感を増して行く音の行き先は天国。人間の一生を表したかのような1曲だ。
intoxicate (C)中澤純一

今年10周年を迎えた日比谷野音での主催イヴェント〈MDTフェスティヴァル〉を大盛況のうちに終え、〈フジロック〉では15,000人もの観衆を熱狂させたROVO。結成以来15年以上にも渡って変わらぬ支持を集めてこられたのは、〈宇宙規模のスケール感を持つ音楽〉をブレなく追求し続けてきた信念の強さゆえだろう。通算10枚目のオリジナル・アルバムとなる本作でも、彼らの見据える先にあるのは圧倒的なグルーヴが生み出す〈ハレ（＝非日常）〉の世界。なかでものっけからギア全開で突っ走る高速ジャム“D.D.E.”と、エキゾティックなメロディーにパーカッションが乱れ飛ぶ“MIR”は、ライヴにおける最高の瞬間を切り取ったかの如きハイテンションぶり。メンバー全員のキレッキレな姿が目に浮かぶ!
bounce (C)北野創