ジャズ・ドラマー、そして故J.ディラのスピリットを継ぐ最高のプロデューサー、カリーム・リギンスのデビュー・アルバムが"Stones Throw"から登場。全34曲に及ぶ珠玉のトラックを収録した本作は、まさにJ.ディラ『Donuts』やマッドリブ『Beat Konducta』シリーズ、J・ロック『Some Cold Rock Stuf』に続く渾身のインストゥルメンタル・アルバム。彼のバックグラウンドを形成するジャズ、フュージョン、ヒップホップ、そして"デトロイト"といった最高のエッセンスが凝縮された最上級の作品。ジャンルの枠を超えた全てのブラック・ミュージックファンに贈る最高傑作アルバム。
BBQ
発売・販売元 提供資料(2012/08/29)
故レイ・ブラウン(b)爺さんの最期に連れ添ったデトロイト出身の俊英ドラマー、カリーム・リギンズ。爺さんに説教されつつも止められなかったヒップホップのビート探求の成果がついに自身の名義でリリースされました。故Jディラやコモンやエリカバドゥの裏方職人としても知る人ぞ知る存在だった彼。アブストラクトで中毒性の高いブレイク満載の気持ちいい一枚。ジャズ売場ではなく、ヒップホップコーナーにありますw。
intoxicate (C)稲田利之
タワーレコード(vol.100(2012年10月10日発行号)掲載)
ジャズ・ドラマーとしてハービー・ハンコックやデトロイト・エクスペリメントのバックを務め、最近はポール・マッカートニーの作品でも叩いているカリーム・リギンス……と書けば、このページを見る人には不十分な紹介となるだろう。そう、彼は演奏活動の傍らヒップホップのトラックメイカーとしても非凡な才能を発揮し、同郷のJ・ディラにも比肩する才能と目されてきたデトロイトの要人なのだ。コモンやルーツの諸作はもちろん、ドゥウェレが脚光を浴びる契機となったスラム・ヴィレッジのヒット“Tainted”(2002年)はカリームの代表作でもある。で、近年はエリカ・バドゥのプロデュースやマッドリブとのコラボなどで知られる彼が、LA のストーンズ・スロウからついにファースト・アルバム『Alone Together』をリリースした。その内容は20秒~4分までのトラックが34曲詰め込まれたインストのビート・アルバムで、これはまさにディラが同レーベルから出した『Donuts』へのオマージュとも解釈できるもの。彼ならではのジャズ・フィーリングも融和しながらLAシーンとデトロイトを繋ぐ黒いセンスは、この才能の煌めきによって、未来にも受け継がれていくに違いない。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.348(2012年9月25日発行号)掲載)