「アイーダ」でデビューし「アイーダ」で終わったトスカニーニの指揮
HMV 音源をもとにしたと推定されるメロディア盤LPから復刻した「アイーダ」
RCAトーンとはひと味違う"トスカニーニ~ヴェルディ・サウンド"は必聴!
これが真実の歌劇《アイーダ》!
壮麗なひろがりと強靭な緊張のうちに完成される深い人間的な愛と悲劇の世界…
★この歌劇《アイーダ》全曲は、1949年3月26日と4月2日という2回にわけて、ニューヨーク、マンハッタンのロックフェラー・センター、RCAビル8階にあるNBCのTV放送用に改装された8Hスタジオで、聴衆をいれたコンサート形式により演奏、同時に全米にTV中継されたものの録音であるが、
1957年に発売された全曲盤では、すでに引退宣言後のトスカニーニが「どうしても満足出来ない幾つかのパッセージを録り直す」ために、1954年6月5日、カーネギー・ホールでの録音セッションに臨み、再び指揮棒をとっている。録り直したのは、マエストロお気に入りのソプラノ、ヘルヴァ・ネルリのうたう「勝ちて帰れ」と第2幕1場の"Numipieta"それに第3幕の「おお、わが故郷」などアイーダの歌唱がTV録画の音声と挿し替えられている。あるオペラ好きの賢者が「歌劇《アイーダ》の本当のドラマは第3幕からはじまる」と言い残している。第3幕はエキゾティックな書法の音楽ではじまるけれども、大きなアリアのあと、すごく劇的な2重唱が2曲あって、この幕を聴くと、全体の人間関係が一挙にわかるからだ。この第3幕がとりわけ強い印象を残す理由は、うたっている歌手の出来の良さであり、それらの歌唱を作品の内容にふさわしくサポートしつつ、オーケストラを完璧に演奏させている指揮者トスカニーニの音楽性に富んだ抜群の構成力の賜物と言える。RCAトーンと違う響きも印象的である。(小林利之)
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2012/08/21)
★復刻に用いたレコードはもともと私はトスカニーニ・ファンとして、SPは別として、LPに関してはRCAの音を越えるものはないはずと思っていたが、低音が豊かな英HMVのLPでRCA(Victor)以上の音楽的な響きを耳にして以来、HMV盤のトスカニーニの音を多くの人に知ってもらいたく、復刻を続けてきた。最終段階としてオペラの復刻を続けており、今回の「アイーダ」で4つ目となる。ところが「アイーダ」にはHMV盤はない。「アイーダ」の発売予定が、米RCAが英HMVと袂を分かって英RCAとして発売するようになった頃のタイミングであったのであろう。当然ながら英RCAの音は米RCAと同じである。「アイーダ」は出せないかとあきらめていたところ、中古レコード・リストの中にメロディア盤の「アイーダ」が目に入った。すぐに購入して聴いてみたところ、RCA盤と違い低音もあり、HMVの音に近いものであった。少なくともRCAのマスターとは違う音である。この理由としては契約が切れ発売できなくなったHMVのマスターがソ連に流れたのではないかと想像する。ちなみにHMVから出ている他のトスカニーニのオペラをメロディア盤で聴いてみたが、RCA盤より低音はあり音はきれいであるが、HMV程の低音の力強さはない、RCAとHMVの中間のような音である。しかし元の音はRCAでなくHMVからソ連に渡ったものではないかと考えられる。ちょうどこの頃は、マッカーシーの赤狩りの時期であり、アメリカ直接より英国がソ連との接触窓口であっても不思議ではない。(相原了)
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