2010年4月にリリースした前作『PORT ENTROPY』の大ブレイクによって、今や世界の音楽シーンをリードする大注目アーティストとなったトクマルシューゴが放つ、通算5作目のアルバム。あらゆるシーンから逸脱したかのような、トクマルシューゴにしか表現し得ないポップかつ驚きとユーモアに満ちた1枚。 (C)RS
JMD(2012/09/06)
とんでもないもの作っちゃったな。2年半ぶりに届いたニュー・アルバムは、豊富な音楽的語彙を自在に駆使しながら、より綿密な音作りを実践してみせている。しかし扉は大きく全方向に開かれ、眩い日差しが燦々と降り注いでいるようなアルバムだ。思わず表へ飛び出したい衝動に駆られるスウィング・チューン“Down Down”をはじめ、全曲ポップソングとしての完成度は抜群。ボサノヴァ、カントリー、フラメンコなど多彩なエッセンス、表情豊かなメロディーが次から次へと顔を出す構成も完璧で、無駄のない流れるような展開はハイ・ラマズの名作『Hawaii』級だ。このように開放感や色彩感が過去最高値を更新した本作、強いて欠点を挙げるなら、隙がなさすぎるところになるのかな、やっぱり。
bounce (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.350(2012年11月25日発行号)掲載)