After heading down an experimental rabbit hole with the psychedelic "visual album" ODDSAC, Baltimore's Animal Collective deliver a proper follow-up to the acclaimed Merriweather Post Pavilion with their ninth album, Centipede Hz. The album finds the Collective assembling in their hometown to record the album together, returning to their roots and connecting via the confines of a practice space instead of sending new material back and forth. With a more traditional writing style, the album feels more cohesive and relatively structured compared to their more free-flowing work, while still maintaining the layered, freaked-out sound that fans have come to crave from the electronic tinkerers.|
Rovi
USインディー・ロック・シーンを牽引するバンドへと成長した、アニコレことアニマル・コレクティヴ。約3年ぶりとなるニュー・アルバム『CentipedeHz』は、2009年作『Merriweather Post Pavilion』には参加していなかったディーケンことジョシュ・ディブが復帰し、フルメンバーの4人で完成させた一枚である。前作ではオーヴァーダブやサンプリングなどを駆使して、陶酔感たっぷりのファンタスティックな世界を繰り広げていた彼ら。今回は機械が生み出すループ音に頼らず、〈人間だから作り出せるもの〉にこだわって制作したと語るように、よりライヴ感のある仕上がりとなった。その結果なのか、〈ファンタスティックな世界〉ではなく、90年代のエイフェックス・ツインを連想させる狂気的なビートが炸裂。ここ数年で付いてしまったバンドのイメージをドリルで破壊しているような、そんな雰囲気を感じた。しかし、破壊的なビートが炸裂する一方で、ビートルズやビーチ・ボーイズなどからの影響を感じさせるキラキラしたメロディーもあったりして、良い意味で支離滅裂。実は今回の彼らは〈エイリアン・バンド〉をイメージしていたらしい。音が地に着いてきたら(≒音がありがちになったら)、やり直して完成させたそうだ。聴き込みすぎると、別次元へ吸い取られる。
bounce (C)松永尚久
タワーレコード(vol.347(2012年8月25日発行号)掲載)
ある部分では予想していたけれど、何というエキセントリックな、唯我独尊の、商業ポップ・ミュージックとは別次元の豊かな音なのだろう! アニマル・コレクティヴのサウンドは常にエネルギッシュで、アヴァンギャルドかつポップで奇天烈ではあるけれど、久しぶりにオリジナル・メンバーのディーケン(ギター他)が参加した新作『Centipede Hz』は、野性味溢れるエネルギーが飛び散りまくったハイテンションな内容に。なかでも際立っているのがビート。音を丁寧に構築していった前作『MerriweatherPost Pavilion』と異なり、メンバー全員でセッションをして制作されたそうだが、クンビアやアフリカ音楽など、彼らの得意とするトライバルなフィーリングが全面にプッシュされたハイパーなサウンドとなっている。原色が飛び散るようなそれはチカチカしていて、トロピカル要素も強いサイケデリックなもの。ウゴウゴ足が蠢くムカデ(=Centipede)が発するような、奇妙な周波数のスペース・サイケと言った風情あり。しかし彼らの音楽を素晴らしいと思うのは、それでもやりすぎた閉塞感/自閉感がなく、あくまで解放的でポップであるということ。フリースタイル/フリーマインドでありながら、きちんとエンターテイメントを心得ているギリギリのバランスに好感を抱いてしまう。
bounce (C)井上由紀子
タワーレコード(vol.347(2012年8月25日発行号)掲載)