シカゴ出身のヒップホップ界重要アーティスト、ルーペ・フィアスコの通算4枚目となるアルバム。シーンに衝撃を与え、グラミー賞にもノミネートされた自身の名作『フード&リカー』の名を継ぎ、"The Great American Rap Album"という副題が付けられた現代(2012年時)ヒップホップのアイデンティティを問う問題作。 (C)RS
JMD(2012/10/01)
シーンに衝撃を与えグラミー賞にもノミネートされた自身の名作『フード&リカー』の名を継ぎ、"The Great American Rap Album"という副題が付けられた、現代ヒップホップのアイデンティティを問う問題作!
ワーナー
発売・販売元 提供資料(2012/08/24)
一色に塗られたジャケットにはタイトルもアーティスト名も書かれていない。そこから得られる情報は皆無だというのに、強烈に伝わってくる情熱はいったい何だ。曲のタイトルもわからぬまま、リスナーは手探りの状態でアルバムを聴き進めていくしかない。そのうちに、真っ黒なパッケージに包まれたルーぺの思想や反抗心、ラップの技巧やリリックから伝わる優しさを汲み取っていくことができる。これまでに〈コンシャス・ラップ〉と呼ばれるラップ楽曲はたくさんあったが、彼は本作で〈コンシャス〉ななかにも自身のソウルをふんだんに閉じ込めた、一つ上のレヴェルのラップを披露している。全編通して聴いた後のヴォリューム感は、まるでスパイク・リーの映画を観たかのよう。ラップ・アルバムの極みだ。
bounce (C)渡辺志保
タワーレコード(vol.349(2012年10月25日発行号)掲載)