風に吹かれて、転がる石のように約半世紀・・・ロックの時代を作り、時代を変革し、様々な人々の人生に影響を与え続け、自ら進化し続ける"ロック界最重要アーティスト"ボブ・ディラン。1962年デビュー・アルバム『ボブ・ディラン』を発売以来、今年2012年は遂にデビュー50周年!(1962年デビューは他ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズなど) 全世界アルバム・トータル売上1億枚。ロックの殿堂入り、グラミー賞、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞(主題歌賞)他、数多くの賞も受賞。ノーベル文学賞にも毎年ノミネートされ、2008年にはピューリッツァー賞特別賞、2012年にはオバマ米大統領から文民最高位の「大統領自由勲章(Presidential Medal of Freedom)」授与される。今もなお年間100ヶ所以上の"NEVER ENDING TOUR"継続中。2010年3月の来日公演は驚異の日替りセットリストで行なわれ、奇跡のライヴハウス・ツアーとして既に伝説化。デビュー50周年、71歳にして今もなお現役バリバリ、走り続けるロックの神様ディラン、通算35作目となるニュー・アルバムです。
発売・販売元 提供資料(2012/08/09)
タイトルは「嵐」の意。ジャケットはベルニーニの「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」。貧者の救済に全てを費やし、命を落とした人物だ。ファンならこれだけでディランの意図の見当が付くだろう。昔日のフォーク・ソングに材を取りつつ、非業の死を遂げた恋人たちを、海に飲み込まれたタイタニックの乗客を、そしてかつての盟友ジョン・レノンを、神話的スケールで歌い込む。渾身のレクイエムであり、キャリアの頂点に位置する名作と断言する。
intoxicate (C)杉山文宣
タワーレコード(vol.100(2012年10月10日発行号)掲載)
デビュー50周年、71歳にしてますます旺盛な創作力を見せつける35作目。ブルージーでスウィングしてロック&ロールする、ワイルド&ラフでタイトなバンド・サウンドがまず文句なしにカッコイイ。そのうえで説得力ありまくりのストーリーテリングなダミ声ヴォーカルが時に渋く、時にロマンティックにパフォームされ続けるもんだからたまらない。特にラストを飾るジョン・レノンに捧げたバラードは感動的。アメリカン・ルーツの伝統に沿ったサウンド/スタイルながらも、不思議とディラン(とそのバンド仲間たち)のプレイからは古臭さが感じられず、リアルで瑞々しく活き活きと聴こえる。きっと〈良い音楽は普遍的で時代を超える〉ということを、今作で証明しているのだろう。
bounce (C)ダイサク・ジョビン
タワーレコード(vol.348(2012年9月25日発行号)掲載)