神聖かまってちゃんのドラム「みさこ」と「かっちゃん」によるツイン・ドラムあいどるユニット"バンドじゃないもん!"のデビュー・ミニ・アルバム。リード・トラックとなる「パヒパヒ」のプロデュースに前山田健一(ヒャダイン)を迎えた、デビュー作にして、確信的な一枚。 (C)RS
JMD(2012/08/27)
オフィシャルの資料などに記載がないので特にそこを押していかないということなのだろうが、一応書いておくと、神聖かまってちゃんのみさこと金子沙織が2011年に結成したユニットで、二人共が歌とドラムスを担当している。怪気炎というか毒ガスというか、存在感丸ごとを飛び道具にしているような感じではあるものの、いろんなインフレ状態のせいでメタほどベタな感じに映ったりもしてしまいがちな昨今、設定そのものはそんなに重要じゃなかったりする(と思う)。で、今回登場の『バンドじゃないもん!』は7曲(イントロの“オープニング!”を除けば実質6曲)入りのミニ・アルバム。アイドリング!!!などへの楽曲提供で知られるミナミトモヤがカヴァー曲以外の全作曲と一部の編曲を担当し、前山田健一や透明サウンズ(loco2kit+Konnie Aoki)、TSUCHIE、芳川よしのが曲ごとにアレンジを手掛けている。察しのいい人なら、でんぱ組.incの〈ねぇ寿司〉と布陣がわりとかぶっていることに気付くだろうが、爆弾の機能性という意味では狙いどころも含めて近いものがあるのかもしれない。前山田アレンジによるリード曲“パヒパヒ”以下、野放図な歌声を響かせたタイニーでスマートなポップ・チューンが並んでいて、ライヴの印象から現チャットモンチーみたいなドシャドシャしたノリにも踏み込めそうな期待を勝手に抱いていた部分もあったのだけど、バンドじゃないんだもんね。まだ現場でしか披露していないキラー・チューンもあることだし、あとは〈逆にロックで素晴らしい〉とか〈これこそパンクである〉みたいな、しなびたヤボな言葉をうまくかわしていければ、これからもっと楽しいことになりそうな気がします!
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.348(2012年9月25日発行号)掲載)
ライヴハウス界隈で知られた存在がついにデビュー。その際に、売り文句が〈ツインドラム&ボーカル・アイドル風ユニット〉から〈ツインドラムあいどる〉へとグレードアップ(?)。つまり、みさことかっちゃんの二人は〈~風〉を取っ払って、このグループを正面からアイドルとして押し進めることにした。そこには言った者勝ちの世界に対する批評的なスタンスが見てとれるし、曲、ヴィジュアルや握手会の対応など、さまざまな評価軸が存在するシビアな場所に飛び込む無邪気さと覚悟が感じられもする。時代の空気を察知してアウェーの場所に飛び込んでいくスリルは、まさに神聖かまってちゃんのそれにも通じるのではないか。いざ蓋を開けてみると、そこには素晴らしい音楽が鳴っている。ライヴでは二人のドラマーが繰り出す野蛮な激しさとわけのわからない可愛さに圧倒されるが、こうして録音されたものを聴くと、ポップス然とした楽曲とユニークな歌詞に改めて心を揺さぶられる。どれも彼女たちらしさが出ているが、ハッピーで感動的な“歌うMUSIC”、モンハンを描いた“アイの世界”あたりは最高。あとは本人たちがアイドルらしく振る舞えるかどうかだけど、とりあえずジャケットは完璧!
bounce (C)南波一海
タワーレコード(vol.348(2012年9月25日発行号)掲載)