南ロンドンを拠点とする3人組プロデューサーLVが南アフリカのフェイバリットMC、Dirty ParaffinのOkmalumkoolkat、Spoek Mathambo、Ruffestといった才能豊かな南アフリカのアーティスト達を迎え、アルバムをKode9主宰の<Hyperdub>からリリース!『Sebenza』という言葉は、南アフリカの公用語であるズールー語で「仕事」を意味するという。そして、タイトルにズールー語を使ったことからも分かる通り、このアルバムでは南アフリカとロンドンの空気感が混ざり合っている。彼らの得意とするUKファンキーに加え、クワイト(南アフリカで独自に進化したハウス)のリズムに、デジタル・ソカ/クドゥーロ、アフロ・ガラージ、グライム、オールド スクールなエレクトロ・ヒップホップまでも取り込んだそのトラックの上をMC達のフロウが緩急をつけながら、巧みに飛び交っている。「Sebenza」は聴くたびに新たな発見があるアルバムだ。紋切り型なリリック、 トラックを吹き飛ばすかのような新鮮さがある。今作によって南アフリカの才能あふれる若いMC達に一層の注目が集まることだろう。もちろん南ロンドン出身の才能豊かなプロ デューサーLVにも。
DIS
発売・販売元 提供資料(2012/08/22)
ブラックダウンが主宰するキーサウンドから昨年デビュー・アルバムをリリースしたばかりの、サウス・ロンドンのプロデューサー3人組が早くも新作をドロップ。〈ロンドンとアフリカとの邂逅〉という謳い文句の通り、もともと得意とするUKガラージ/ファンキーやダブステップに加え、アフリカ発祥の猥雑なビート・ミュージックにも挑んでナスティーな躍動感を漲らせる。このエッジーな部分をアルバム全編で補完するのが、選び抜かれた南アフリカのMCたち3名。それぞれが抑制されたクールなフロウを繰り出すのだが、その落ち着いたトーンが楽曲の凄みを引き出し、まるで現地のゲットーを連想させるような不敵な空気がとぐろを巻く。グローカリゼーションが生んだ先鋭性に溢れる一枚だ。
bounce (C)青木正之
タワーレコード(vol.347(2012年8月25日発行号)掲載)