"My Generation, My Music"シリーズのブラック&ポップス編。ネリー・ファータドが2006年に発表したサード・アルバム。スーパー・プロデューサー、ティンバランドを迎え、ヒップホップ/R&Bサウンドを展開。「プロミスキュアス~ふしだらなビート。Feat. ティンバランド」「セイ・イット・ライト」(ともに全米1位)他を収録。 (C)RS
JMD(2012/07/26)
カエターノ・ヴェローゾやベラ・フレックを招いた前作『Folklore』は郷愁を誘うルーツ指向の強い作品だったが、2年ぶりのサード・アルバムはデビュー時のフリーク性をそのまま発展させたような仕上がり。過去にも何度かコラボレート済みのティンバランド&デンジャがほぼ全曲を手掛けたこともあって、当然いままで以上にヒップホップ色は濃い。ただ、プリンスばりのキラキラしたシンセ使いにダンスホール風味を加えたような“Promiscuous”や、エレクトロ愚連隊ロック“Maneater”など、ティンバの仕事ぶりが(ニューウェイヴ気取りじゃなく)ダサ格好良いリアル80年代テイスト(?)を巧みに咀嚼しているあたりは、グウェン・ステファニーやピンクの近作にも通じる感じで凄く楽しい! 同郷の先達であるジョニ・ミッチェルを思わせるアコースティックな楽曲や、フアネスとの共演曲などの配置もカラフルで、バランスのいい傑作です。
bounce (C)高橋 玲子
タワーレコード(2006年06月号掲載 (P73))