"My Generation, My Music"シリーズのブラック&ポップス編。ジャンルを自由に飛び越える"音楽の天使"ネリー・ファータドが2003に発表したセカンド・アルバム。多彩な強者ミュージシャンをゲストに迎えて、彼女にしか描けないナチュラル・ポップ・ワールドが炸裂した作品。 (C)RS
JMD(2012/07/26)
ネリー・ファータドの約3年ぶりとなるセカンド・アルバムが到着した。たしか先日、お子さんが生まれたはず。おめでとう。そしてまた、力強い作品の完成にも。クロノス・カルテットの演奏に乗って颯爽と登場する冒頭からオルタナティヴな感性炸裂だが、目つきの鋭さは前作の頃と変わらないものの歌が少しふくよかになった気がする。ファドのギターラっぽい音色が流れてきてポルトガルの血が流れる彼女の出自を思い出したりしつつも、他にインドやらいろんな味が混ざったバック・トラックを聴いていると、既存のポップ・ミュージックの枠をどんどん跨いでいこうとする意志が見えてきてとても頼もしい。注目ポイントは彼女のアイドルの一人、カエターノ・ヴェローゾの参加。彼のアルバム〈粋な男〉に収録にされる“Tonada De Luna Llena”のサンプリングに、彼とザップ・ママの歌声が絡む贅沢な一曲が出てくる。これが最高に強力。
bounce (C)桑原 シロー
タワーレコード(2004年01,02月号掲載 (P87))