"My Generation, My Music"シリーズのブラック&ポップス編。ポップ・アイドルからセクシー&ビューティーなR&Bディーヴァへと華麗な変身を遂げた歌姫、マライア・キャリーが2002年に発表した通算7枚目のアルバム。心機一転デフ・ジャム・レーベルへ移籍し、シーンの最前線に復活を果たした作品。 (C)RS
JMD(2012/07/26)
失恋、自殺騒動、レコード会社からの突然の解雇、そして最愛の父親の死……と、この歌姫はいくつもの困難に立ち向かい、それらを克服してきた。その結果生まれたのが、新たに立ち上げられた彼女自身のレーベル、モナークから登場するこのアルバムだ。これは戦略なのだろうか?と思いたくなるほど事前の情報が何もなかったのだが、先行シングル“Through The Rain”は聴く者の心に深く入り込むかのような名バラード。たとえ彼女の困難を知らない人でも共感できるはずだ。アルバムのプロデューサーにはマライア本人はもとより、馴染みのジャム&ルイスやジャーメイン・デュプリ、さらにはジャスト・ブレイズやセヴンなど昨今のヒットメイカーたちが名を連ねている。ジェイ・Z、ウェスト・サイド・コネクション、キャムロンらの客演も豪華で、デフ・レパードのカヴァーまであるなど〈新生〉には申し分ない一枚だ。
bounce (C)池戸 亨
タワーレコード(2002年12月号掲載 (P78))