ニカラグア出身のピアニスト、ドナルド・ヴェガの2012年デビュー・アルバム。
母国でクラシック音楽の訓練を受けた後、14歳でロサンゼルスに移住。ザ・ワールド・ステージで師匠ビリー・ヒギンズから、後に南カリフォルニア大学でベーシストのジョン・クレイトンからジャズの言語を学び始めた。1940年代後半にディジー・ガレスピー楽団に所属したベーシスト、アル・マッキボンはその後、若きピアニストを後援し、バンドスタンドでビバップの精妙な技法を指導した。ヴェガはロサンゼルスでマッキボンのトリオに参加中、ドラマーのナッシュと出会う。『スピリチュアル・ネイチャー』制作にあたり、ベガはナッシュとベーシストのマクブライドの共演を構想した。マクブライドとは2007年、ニューヨークのジュリアード音楽院在学中に出会っていた。「この味わい深いドラマーと、圧倒的なベーシストを組み合わせるアイデアは実に興味深かった」と彼は語る。「だが両者が一箇所に集まるのは極めて稀だ。どちらも多忙を極めているからだ。そしてようやく共演が実現した時、音楽はまるで魔法のように自然に奏でられた」という傑作。
<パーソネル>Donald Vega(p) Christian McBride(b) Lewis Nash(ds) Anthony Wilson(g)
Christian Howes(vln) Bob Sheppard(sax) Gilbert Castellanos(tp) Bob McChesney(tb)
発売・販売元 提供資料(2025/09/02)
NY主流派ピアニスト、ドナルド・ヴェガの最新作はクリスチャン・マクブライド(b)、ルイス・ナッシュ(ds)とのトリオを軸に、盟友アンソニー・ジャクソン(g)、ボブ・シェパード(ts)、クリスチャン・ハウズ(vn)らが、色鮮やかに華を添えた豪華盤。師匠ケニー・バロン仕込みの、歯切れのいい軽快なピアノで現代版ハードバップを表現し、あくまでストレートアヘッドなスタイルを貫き通す「男の一枚」は理屈抜きに愛される作品に仕上がっております。小曽根真のカヴァーM7も注目。
intoxicate (C)合田育功
タワーレコード(vol.100(2012年10月10日発行号)掲載)