イギリス人ミュージシャン、アントニー・ヘガティ による音楽プロジェクト、アントニー&ザ・ジョンソンズが通算5作目のアルバムをリリース。2011年9月コペンハーゲンで行なわれたデンマーク国立室内管弦楽団とのライヴ録音を収めた、アントニー&ザ・ジョンソンズのキャリア集大成ともいえる作品。 (C)RS
JMD(2012/07/12)
ビョークやルー・リード等、同業からも熱烈な賞賛を浴びるアントニー。その“天使の歌声”に魅せられるファンは世界中で後を絶たない。傑作サード・アルバム『スワンライツ』から2年ぶりとなる待望の新作は、2008年以来アントニーが世界各地で行ってきた、オーケストラを伴った形式でのライヴ活動の集大成とも言える内容になっている。あまりに素晴らしい新曲(表題曲)「カット・ザ・ワールド」をはじめ、従来のアルバム・ヴァージョンとは全く異なるオーケストラ用の編曲が施されたアントニーの名曲の数々が、圧倒的な立体感を伴った音像をもって立ち現れる!楽曲はいずれもオーケストラ用に新たなアレンジが施され、アルバムとは大きく異なったバージョンになっている。編曲はビョーク、ヨンシー(シガー・ロス)、アッシャーなどのストリング・アレンジでも知られる気鋭の作曲家ニコ・ミューリーをはじめ、ロブ・ムース、マキシム・モストン、アントニー自身が担当。ライヴならではの生々しさと開放感に満ちたアントニーのヴォーカルの素晴らしさは言わずもがな、前作『スワンライツ』でも1曲で参加していたデンマーク国立室内管弦楽団による圧巻の演奏を全編に渡って聴くことができる。アルバム冒頭を飾る表題曲「Cut The World」は、舞台『The Life and Death of Marina Abramovic』(アントニーと俳優のウィレム・デフォーも出演)のためにアントニーが書き下ろした新曲。さらに、7分を超える「Future Feminism」と題されたトラックでは、ライヴ中にアントニーが行ったスピーチがそのまま収録されており、前作の主題にもなっていたアントニーの地球環境と社会についての興味深い考察が独特のユーモアも交えて繰り広げられるが、日本盤にはその対訳を完全収録!
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発売・販売元 提供資料(2012/06/22)
待望の新作は、2011年にデンマーク国立室内管弦楽団と行ったライヴの実況盤。冒頭に新曲“Cut The World”を配しているのも意表を突くが、既発のナンバーもすべてオーケストラ仕様の新たなアレンジが施されていて、まるで違う表情を窺わせているから驚きだ。ライヴ録音ならではの音の拡がりと、それでも揺るがない燐光を纏ったアントニーの妖美な歌声に、気が遠くなりそうな酩酊を覚えた。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(vol.347(2012年8月25日発行号)掲載)