3年ぶり、待望の最新作となる本作『The Glorious Dead』はでこれまで披露してきた圧巻の極太グルーヴはさらに太くなり、サイケ、ファンク、ヴゥードゥー、リズム&ブルースからレトロ・ソウルまでをも飲込んだ魂を揺さぶる快心作となっっている!先行シングル(tr.3)ではツェッペリンも真っ青な重厚グルーヴをゴスペル・コーラスが煽り、(tr.7)ではブルージーなガレージ・パンクとソウルフルなブリッジが渾然一体となって押し寄せ、狂乱のパーティ・チューンへと昇華!!さらには鉈でぶった切ったようなギターリフとホーンが破壊力抜群の(tr.6)、ニュー・オリンズな重厚ブラスにソウル汁が滴るファンク・ナンバー(tr.4)があれば、近年のレトロ・ソウル回帰直球のエレジームードを纏いながらも、モダンな鳴りでその歌心が染み渡る(tr.5)やダニー・ハサウェイ「You've Got A Friend」級の大団円ソウルは号泣必至!!これぞ、ヴィンテージ・ロック・ブームにとどめを刺す超濃厚かつ重厚な最終兵器と断言出来るよう注目作品です!
発売・販売元 提供資料(2012/08/08)
UK発、黒人シンガーを擁するヘヴィーの3作目『The Glorious Dead』が完成した。15万枚を超えるヒットとなった前作の収録曲"How You Like Me Now?"が、映画「ザ・ファイター」などでも使用されて知名度を上げている彼ら。その音楽性は、ロックンロールやファンクをもとに、サイケ・ロックやブルース・ロックの要素も混ぜた土っぽい香りのするものだが、古いリズム&ブルースをサンプリングして使用するなど、自身のルーツを遊び心を持って採り入れている感覚がおもしろく、その洗練度は先頃ブラック・キーズと組んでリズム&ブルースのアップデートに取り組んだドクター・ジョンと通じるところも。そもそも、昔からの友達同士だったというメンバーのスワビーとテイラーが、2人でUSのルーツ・ミュージックやジム・ジャームッシュの映画にのめり込んだところから、バンド活動はスタートしたそう。言われてみれば、心に引っ掛かるようなザラついたヴィンテージ感をベースにしつつ、いいバランスでスタイリッシュに消化しているあたりが、まさにジャームッシュ的でもある。通して聴くと実にさまざまなスタイルをサラッと聴かされていることにも驚くだろう。ソウル好きもロック好きも巻き込む魅力に満ちたアルバムだ。
bounce (C)吾郎メモ
タワーレコード(vol.346(2012年7月25日発行号)掲載)
まだまだ日本では知られていないうちに、すっかり大物バンドへと成長したヘヴィーの3作目。前作『The House That Dirt Built』のヒットに寄与したジム・アビスと別れ、ふたたびセルフ・プロデュースに取り組んだ勝負の一作と言えそうだが、少なくとも生々しいアンサンブルからさらに無遠慮なダイナミズムが呼び起こされているのは間違いない。オープニングの"Can't Play Dead"からして"How YouLike Me Now?"の轍をまっすぐに進むものだが、ドロッとした粘りとコクはあきらかに増している。唇の形が目に浮かぶようなスワビーのヴォーカルもここではあのベロを出した大御所のよう。ラウド・ブルースの先行シングル"What Makes AGood Man?"もホーンを加えた"Same Ol'"の漲り具合も過去のヘヴィーよりヘヴィーな仕上がりだ。他にもカーティス・メイフィールドばりのストリングスと節回しが心地良い"Curse Me Good"はノスタルジックで味わい深いし、リフの応酬から緩急をつけたガレージ・サウンドの"Just My Luck"はブルージーでカッコ良いし、オーセンティックなソウル・コーラスの形を借りて大団円を迎える"Blood Dirt Love Stop"には確かな余韻が残る。素晴らしいアルバム!
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.346(2012年7月25日発行号)掲載)