バグルス(ヒット曲「ラジオスターの悲劇」)やイエス(「ロンリ―・ハート」期)、90年代のUKテクノシーンを牽引したZTTレーベルの牽引者トレヴァー・ホーン。「アイム・ノット・イン・ラヴ」のヒットで知られる10ccのほか、MTV時代の映像作品でも知られるゴドレー&クレームのロル・クレーム、ZTTレコードでトレヴァーのエンジニアをつとめたスティーヴ・リプソン、デラミトリやスクイーズ、近年ではシール(彼もZTT)やアデルのドラマーもつとめているアッシュ・ソーン。これだけすさまじい経歴を持つメンバーが一堂に会したこと、それ自体すでに事件とも言えるだろう。このバンドこそまさにUKロック/ポップの歴史を背負ったスーパー・グループと言える。ユニットは2006年に結成され、ライヴを重ねながらアルバム制作も並行して行い、2007年にはいちど1stアルバムが完成しかけたものの、妥協を許さないメンバーばかりということもありお蔵入りに。それから5年。とうとう完成したのがこのデビュー・アルバムである。タイトルは本作が録音されたロンドンのノッティング・ヒルにある伝説のスタジオ「SARM」がある通りの名前からとられた。まさにビートルズの「アビイ・ロード」を彷彿させるエピソードである。
発売・販売元 提供資料(2012/08/24)
トレヴァー・ホーンやロル・クレーム(10cc~アート・オブ・ノイズ)などUKの奇才4人が結集したスーパー・グループ。6年間かけてじっくり作られたというこの初作は凝りに凝った職人気質の一枚……かと思いきや、アコースティック主体の演奏によってトレヴァーらしい(というかバグルスっぽい?)甘メロを引き立てたシンプルな作りに。そこはかとなく漂う湿っぽさも含め、これぞブリティッシュ・ポップ!って感じです。
bounce (C)赤瀧洋二
タワーレコード(vol.350(2012年11月25日発行号)掲載)