トゥーツ・シールマンスの90歳を記念して、“Challenge Records”がシリーズ化してリリース。本作は先頭を切る第1弾です。90歳にしてなお現役ということも奇跡ですが、鮮やかな音楽性は、全くに年齢を感じさせません。2009年作品の延長線上ともいえる本作は、トゥーツが最も信頼を寄せるカレル・ボエリーのトリオをバックにした、ヨーロピアン・カルテットでのライヴ・パフォーマンス。20時間以上に及ぶ録音から選び抜かれた演奏の数々は、本当に素晴らしく、心温まるものになっています。トリオのメンバーとは、親子、または祖父と孫とも言える年齢差。しかし、その関係は微笑ましくも圧倒的な信頼関係。一緒に奏で、響き合い、補完しあう面々。自らが吹く時はもちろん、絶妙なバランスとユーモアを以て吹かない時も自分たちの音楽を表現するのが巨匠の巨匠たる親分トゥーツ!加えて言うと、ライブでは、観客までも自分たちの演奏に参加させて、音楽にしてしまうのがトゥーツなのですが、深い人間愛にも根ざす演奏は、“これぞ音楽!”であり、“音楽以上”のもの、とも言えましょう。全てのトラックが感動的と言えますが、マイナー調の導入部からドラマティックに曲が展開されるM2の「ドラゴン」には落涙必至。なんという機微に溢れる音楽…。サッチモの名曲「この素晴らしき世界」も言うまでもなく、落涙の1曲です。ボーナスDVDには、2011年のライヴ映像を6曲/約30分収録。トゥーツの人柄や空気感も溢れる映像も貴重です。こちらは日本語帯・解説付きの輸入盤:国内流通仕様です。
発売・販売元 提供資料(2012/04/04)
2011年奇跡の来日も記憶に新しいハーモニカの巨匠がなんと90 歳記念の新作。今なお現役で活躍している事も驚きですが、鮮やかな音楽性は全く劣えを感じさせません。巨匠が最も信頼を寄せるカレル・ボエリーのトリオをバックにしたヨーロピアン・カルテットのライブ・パフォーマンスから選び抜かれた演奏は感動の域を超える素晴らしさ。そして何とDVDではすみだトリフォニーホールとコットンクラブでの涙モノの演奏6 曲を観れちゃいますよ。
intoxicate (C)廣瀬毅
タワーレコード(vol.98(2012年6月20日発行号)掲載)