ファニア・オールスターズをはじめとするN.Y.サルサの誕生から隆盛を極めた60年代末から70年代初頭。それと時を同じくして活況を呈していたのが、南米各地のいわゆる「秘境サルサ」。世界中のDJやグルーヴ・ディガーによって、メインストリーム以外のヴィンテージ・ラテン音源が次々と発掘/再認識される中で満を持して登場するのが、南米ペルーが誇る偉大なピアニスト、アルフレッド(アルフレディート)・リナレスのオリジナル・アルバムだ。母国ペルーのラテン/ジャズ・ピアノの傑出した存在であるアルフレッド。60年代からのキャリアで数多くの名演を残し、VAMPI SOULレーベルのペルー・サルサ発掘セレクション「GOZALO!」シリーズに、マニア垂涎の激レア音源とされる彼の音源が収録され、再評価されることとなった昨今。そして2009年には、かのクアンティック率いるラテン・セッション「コンボ・バルバロ」のピアニストとして迎えられ、その存在がよりクローズアップされるに至ったことは記憶に新しい。そんなアルフレッドが残した作品から、いまだ成されていないオリジナル・アルバムのCDストレート・リイシューが、オリジナル・マスター・テープからの極上音質で、ついに完成。その標的となったのは、1972年にペルーの名門レーベル「イエンプサ」に残されたアルバム「SALSA... A TODO SABBOR...」。アルフレッドの華麗なピアノ・リフから、一気に走るオープニングから、怪しさとニヒルな風情が交錯するブーガルー・トラックM2、モントゥーノ・ピアノがソウルフルに弾けるインスト・ナンバーM3と序盤からキラーなサルサ・スピリット全開。3人のフロント・ヴォーカルの掛け合いで疾走するM4,5,6,7と続くグアラチャー・リズムのナンバーで興奮マックス。プエルト・リコの縦ノリ・リズム「ボンバ」をアルフエッド風にアップデートしたM9を挟んで、ミディアム調のボレロも洒脱で熱い。真っ向からステップを誘うためのセッションでありながら、アルフレッドのバック・ボーンでもあるジャジーなフレーズを多投したサウンドは、同時期のN.Y.サルサにも勝るセンシティヴな一面を持っており、クアンティックが惚れ込んだのも頷けるといったところ。さらにマニアも驚愕は、ラスト2曲のボーナス・トラック。重量級ブラス・セクションを従えたハードなサルサM13、そして激レア45回転EP音源からの収録となるジャジー・サルサM14。いずれも本編を凌ぐ快演で昇天必至!妖艶なヌード・レディのバック・ショットをモチーフにした、サイケなアートワークもダテじゃない!
発売・販売元 提供資料(2012/03/23)