前作『IV』はジム・オルークをプロデューサーに迎え、ここ東京でレコーディングされた。それまでの音楽性の集大成でありつつ各曲ごとに確立された分かり易さがあったこと、そして日本人との縁の深さが相まって高い評価を得た。『V』はそこから3年数か月振りに発表される新作である。本作はストックホルムのEMS、パリのGRMという、長きに渡ってほぼ国家レベルで電子音楽の制作から発展までをサポートしてきた伝説的なスタジオを中心にレコーディングされている。このロケーションは2人に多大なインスピレーションを与えたようで、これまでの方向性を踏襲しながら、より電子音楽的なアプローチを採っているのが興味深い。単純なアンビエント・ワークスではなく、幾重ものギター・レイヤーと共に作り込まれたサウンドはさすがの構成力を感じさせる。また"Phil 2"ではアイスランド出身の作曲家で、クラシック/現代音楽からエレクトロニカまで幅広いフィールドで活動するヨハン・ヨハンソンを指揮に迎え、オーケストラとのコラボレーションも果たしている。サン O)))とは異なるアプローチで追及されるドローン音はインパクト十分、実にこの2人らしい仕上がりだ。前作『IV』、及びサン O)))での数々の日本盤同様、全世界完全未発表音源を追加収録したボーナス・ディスク付2枚組仕様でリリースされるのは日本のみ!
発売・販売元 提供資料(2012/04/12)
数々の音楽/アート・プロジェクトを並行させるスティーヴン・オマリーと、エディションズ・メゴを主宰しフェネスやツジコ・ノリコ、オートリックス・ポイント・ネヴァー等をリリース、自身も積極的なリリースとライヴ活動を行うピタことピーター・レーバーグによるKTLによる、電子音楽的アプローチもさらに強く感じられる、新たな音の可能性を追求するアルバム。 (C)RS
JMD(2012/03/22)