カリフォルニア生まれの女性SSW、ミンディ・グレッドヒルの3rdアルバム『アンカー』がとにかく素晴らしいです。デビュー当初はメジャーな質感のアルバムもリリースしてたりしますが、本作『Anchor』は、彼女のコケティッシュな歌声が一際輝くジャジーに弾けたポップスと、しっかりとメロディで聴かせる極上のアコースティックポップのオンパレード。ジュノー・アワード受賞者、Stuart Brawleyがプロデュースを手掛けたサウンド、程よく漂うヴィンテージ感が心地良いアレンジのセンスも光ります。注目は何と言ってもオープニング曲「01. California」。イントロ、小気味良いメロディを奏でるバンジョーの響きから楽しいですが、手拍子交えたビートに乗せ、グイグイと高揚して行くポジティブな曲調に、ウキウキ度&爽快感はマックス。ひたすら王道、でも最高な1曲です。続く「02. Crazy Love」も跳ねたピアノがリードするポップな好曲で、サビの高揚感が気持ち良すぎ。ピアノの弾き語りで聴かせるバラッド「03. Anchor」の穏やかなフィーリング、優しいメロディが印象的なアコポップ「05. All About Your Heart」に、弾けるピアノポップ「06. All The Pennies」、ウクレレが愛らしい「07. This is My Song」、ミディアムテンポのビートに乗せ、浮遊感溢れるウワ物が漂う「08. Whole Wide World」など、良い曲しか収録されていない、驚くべき1枚です。このクオリティをお試し頂ければ分かるかも知れませんが、彼女はインディ(であることを望んでいます)のアーティストでありながら、その知名度は本国でも高く、本作収録の「03. Anchor」が米国の人気TVドラマシリーズ『ボーンズ』で使われていたり、「05. All About Your Heart」もABCの番組で使用されていたりと、メジャー級の存在感。さらに、お隣の韓国でも洋楽アーティストとしては異例のヒットを記録していると言う、恐るべき逸材です。まぁ、このサウンドを聴けば納得ですが…。
発売・販売元 提供資料(2012/07/31)
"ワンピ"に"スニーカー"に"傘ジャンプ"。このジャケットからして最高ですが、コケティッシュな歌声はもっと最高!そして弾けたアコポップの名曲「カリフォルニア」はさらにさらにイイ。米国の女性SSW、ミンディ・グレッドヒルのセカンド・アルバム。 (C)RS
JMD(2012/03/19)
ジャケットを見ただけで〈名作!〉と確信させる魔法のような作品が稀にあるが、US西海岸出身のシンガー・ソングライターであるミンディ嬢のアルバムはまさにソレ。赤い傘を片手に可憐なワンピースを翻して軽やかにジャンプ!メリー・ポピンズさながらにいまにも空へと舞っていきそうなジャケのイメージは、そのまま1曲目の爽快なポップ・チューン“California”へと結実する。〈あなたが行ったことのない世界に連れていってあげる〉というサビのフレーズに導かれるまま、あとはただただ彼女のとびきり可愛らしい歌声と、清冽なメロディーに彩られたアコースティック・ポップに身を委ねていれば万事OK。全12曲を聴き終えた頃には、あなたの前にいまだ見ぬ美しい風景が広がっているはずだ。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(vol.345(2012年6月25日発行号)掲載)