薔薇にトゲ、紫陽花に雨、テントウムシに星、デンデンムシに角、茶碗蒸しにギンナン、酢豚にパイナップル、のどにのどちんこ、ちんこに亀頭、琵琶湖に竹生島、イースター島にモアイ像、ビールに泡、河童に皿、人間に尾骶骨。なくてもかまわんようで、ないとヒジョーにこまってしまうもの。不易流行における不易、に見える部分。人間だって一種のけだものだもの。時々、尾骶骨をズンズンふるわせましょう。尾骶骨から頭頂へと、歓喜の電流、いや、電撃を走らせろ！　それにはやはり音楽がイチバン。サンフランシスコの土地と野花が呼び起こしたムーブメントの刺激を受け、オセアニアの野性と人工性の混淆がアメリカ西海岸で馥郁と開花し、ロックとの乱交によって生じた変異ジャズ、を奏でるのはthe Fourth Wayであって、電気ピアノ、電気ベース、電気バイオリン、ドラム、の組み合わせのこやつらを聴けば、尾骶骨もろともスイスの山々木々湖のさざ波たちとも交感しつつ頭頂までビリビリ来るのはうけあい。狼だって、狼男だって、温暖温和なカリフォルニアの、肌に軟らかく気前よく戯れる自由闊達な風に当れば、舌なめずりしながら陽気に気ままに楽しげに踊り出すは必定。狼は北国のいきものだって誰が決めた？　まったく誤解も甚だしいわ！　北国で野性はストイックに堅固に研ぎ澄まされるが、やや南国では野性は享楽的におおっぴらに解放発散される。そんな燦然と明るいエピキュリアンの狼よ、もっとのさばり発情繁殖し、尾骶骨退化人間どもを駆逐せよ！　人間よ、温帯的南方的狼男になりたくば、東奔西走、南船北馬、まだ行ってへん方角へ、尾骶骨の命ずるまま、こだわりなく、鬱血せず、エクスタチックに進むべし！　では南方へ？　いや、軟方へ、いや、軟醒へ、いや軟軟凄へ、ほろ酔いダンスのステップでラッシュ！