SCUBAことPAUL ROSEがロンドンにて2003年に設立し、これまでにMOUNT KIMBIEやSIGHA、UNTOLDらポスト・ダブステップの異才たちを送り出し続けてきたレーベル【HOTFLUSH】。2010年シングル「Love Pressure」を引っ提げその強力なラインナップに加わったのが、TRAVIS STEWART (MACHINEDRUM)とPRAVEEN SHARMA (PRAVEEN)によるユニット、SEPALCUREだった。「Love Pressure」は、両者の出自であるエレクトロニカ由来の圧倒的に美しい作りこまれた音響に、UKアーバン・ミュージックの十八番であるソウルフルなヴォイス・サンプルのカットアップが高次元で融合した傑作として各メディアで反響を呼び、SEPALCUREの名も一躍好事家たちの間に広まることとなる。本作「Sepalcure」は2ndシングル「Fleur」のリリース後、日増しに高まる周囲の期待に対する彼らの回答となるべくアナウンスされた、待望のファースト・アルバム。既発の楽曲は一切含まれず、新曲のみ全10曲で構成されている。ブロークンビーツと4/4ビートが曲中にスイッチするDJミックスのような展開がおもしろいM-3、JAMES BLAKEのようなピッチダウンさせたヴォーカルとメランクリックなメロディーが溶け合うM-4、最近のMACHINEDRUM作品で窺えるシカゴ・ローカルなダンスミュージック"JUKE"からの影響が顕著なM-6など、これまでのシングル以上に多彩なスタイルに挑戦した野心作に仕上がった。2011年現在のポスト・ダブステップを語る上で、このアルバムは決して外すことのできない作品と言えるだろう。
発売・販売元 提供資料(2011/10/19)
プラネット・ミューからの最新作で一気に時代の最前線へと躍り出たマシーンドラムによるユニットから、12インチの下馬評通り最高のアルバムが到着。UKガラージ系譜としては申し分ないメロウネスの輪郭を90年代デトロイト・テクノの黄金律とシカゴ・ハウス~ジュークの生々しいグルーヴが躍動させている。ダブステップという言葉から解放されて、2011年を集約したこのダンス・ミュージックに、汗と涙が区別できない。
bounce (C)入江亮平
タワーレコード(vol.338(2011年11月25日発行号)掲載)