バラードの名手、キース・スウェット、約1年のインターバルで到着した通算11作目のアルバム。「One On One」や「Make You Say ooh」など、キースらしいスムースなコンテンポラリーR&B作品。
ビクター
発売・販売元 提供資料(2011/10/05)
キダーに移籍して発表された前作『Ridin' Solo』から約1年ぶりという短期間で、キース・スウェットのニュー・アルバム『'Till The Morning』が届けられた。またしてもレーベルを移籍しての心機一転作ということになるが、アルバムに先駆けて発表されたスムースな“Make YouSay Ooh"“One On One"が証明するように、いままで通り我が道を行くスタイルに微塵のブレもないのは言うまでもないだろう。控えめなシンセの装飾をさりげなく施したタイトル曲あたりでサウンドに多少の現行感を纏わせてはいるものの、メロディーのパターンといい、粘着ヴォーカルといい、濃厚なキース流儀は今回も期待を裏切らない。T・ペインに主導権を握らせつつオートチューンをネットリと仕上げて余裕と貫禄を見せつける“To The Middle"や、熟れて艶を増したココ(SWV)とのウェットなやりとりが今年で五十路に突入した御大の絶倫ぶりを象徴する糖度MAXな“My Valentine"も最高の出来。さらにジョニー・ギルのお返し参加曲“Knew It All Along"では生前に録音されたというジェラルド・リヴァートの歌声も交えてLSGの擬似リユニオンも実現……。朝までと言わず、そのままエンドレスに蕩けたい絶品の仕上がりです。
bounce (C)佐藤ともえ
タワーレコード(vol.338(2011年11月25日発行号)掲載)