| フォーマット | CDアルバム |
| 発売日 | 2011年11月30日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | Sony Music Direct |
| 構成数 | 2 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | MHCL-1992 |
| SKU | 4582290378794 |
構成数 : 2枚
合計収録時間 : 02:26:35
読み込み中にエラーが発生しました。
画面をリロードして、再読み込みしてください。
音楽の加速について行けなくなった当時、”癒し”と”安らぎ”を届けてくれたのが、”村松スタイル”ともいえるリズム・マシン(違っていたら失礼)を相棒に、二人三脚で紡がれる童謡のような親しみと温もりのあるピアノの旋律だった。
このアルバムはその頃のセレクト集だが、サブ・タイトルにあるように、フュージョンに寄っている。1枚目は、初期2枚のアルバムを中心に、都会的で洗練された楽曲で構成されている。個人的な出色は「HYDRANGEA -into the morning dew」だ。N〇KのFM番組”公園通り21”のメイン・テーマとして使われていた。
個人的な”お気に入り”は2枚目に多く収録されている。アルバム・カラーが澄んだブルーからナチュラルなグリーンへと移行した時期のオーガニックな楽曲たちだ。爽やかな音風景の中に”和の匂い”を感じる「水平線の見える部屋」や、唄いながらペダルを漕いでいる「スピード -自転車旅行-」、”別れ”の切なさをやさしく包み込み”出逢い”のときめきに眩い陽光を注ぐ「出逢いと別れ」が該当する。
もしも”~EASY LISTENING TRACKs”として続編が企画されるなら、取り上げてほしい楽曲がある。突然の夕立ちと蝉時雨がシンクロする「レインフォーレスト -ひぐらしの森で-」や、穏やかな冬景色をスケッチした「SCHI S\HEIL -スキーに幸あれ-」、緑の草原をゆっくりと散歩する「春の野を行く」や、”植物図鑑”を想わせる楽曲の中から、フィトンチッドに溢れる「フローティング~睡蓮の開く朝」と「ムラサキツユクサの影」も忘れないでほしい。
軌道は外れるが、アルバム『子供の時間』に収録されていた「夢のほとりで」も素晴らしい。ミディアム・テンポの安定飛行が続く冗長な楽曲だが、途中に幸せそうな会話のコラージュやB・クロスビーの「ホワイト・クリスマス」のフレーズがさり気なく添えられていて、10分超という時間の経過を全く感じさせない、クリスマスの寒い夜を暖めてくれる逸品だ。
ベスト盤もありがたいが、欲を言えば、初期の瑞々しいオリジナル・アルバム群の高音圧(音量)化での再発を熱望する。