2008年米ケンタッキー州結成10代後半、20代前半で構成される若き6人組ガレージロック・バンドのデビュー・アルバム。ガレージ・ロック・サウンドに乗ったジョーン・ジェットばりにいい具合のドスが効いたアレックス(女)の声に絡む、ジャック・ホワイトを彷彿とさせるトニーのしゃくりあげる特徴的な歌声の絶妙なバランスが心地いいアルバム。バンドとしての本格的始動が2010年という完全ルーキーには到底思えない秀逸なメロディー・センスと天才的な作曲センスに米ローリングストーン誌が早くも「ルーキー・オブ・ザ・イヤー2011」に選出。また同誌の一般投票においても「2011年ベスト・ニュー・アーティスト」部門2位を獲得するなど、米ロック界の大注目を集める2012年活躍を最も期待されている新人である。2012年もFUNとのツアーやコーチェラフェスティバルに出演するなど着実にその活動の規模を拡大させている。
発売・販売元 提供資料(2012/06/14)
ロックにおける〈青臭さ〉というものはガムシャラに突っ走って撒き散らかすのが潔い、と思っているクチなので、こういうバンドは大好きだ。Rolling Stone誌の〈RookieOf The Year 2011〉にも選出された、10代と20代前半から成るUSの6人組によるデビュー作。勢い任せに疾走するノイジーなギターと、アタックが強すぎてつんのめる寸前のようなドラムに乗るのは、気合い漲る女声と絞り上げるような男声の強力ツイン・ヴォーカル。実にお行儀の悪いヤング・ガレージ・サウンドだけど、そのくせメロディーは抜群にポップである。ストロークスやピクシーズが引き合いに出されるのも頷けるが、本作から奔流のように迸る青春汁の飛沫は、むしろ登場時のスーパーカーによく似た、刹那の輝きを放っている。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(vol.347(2012年8月25日発行号)掲載)