輝きを失わないR&Bディーヴァ、モニカの通算6枚目となるアルバム。齢を重ねるごとにパワー増していくモニカは2010年で30歳を迎え、さらに大人の磨きがかかった作品。 (C)RS
JMD(2012/03/26)
弱冠14才でリリースしたデビューシングル「ドント・テイク・イット・パーソナル」(1995年)がいきなり全米R&BチャートでNO.1を獲得。1999年にリリースされたセカンド・アルバム『ザ・ボーイ・イズ・マイン』は、全米No.1ヒット・シングルを3曲輩出し、遂には全米でダブル・プラチナ・ヒットを達成。このブランディとのデュエット曲の「ザ・ボーイ・イズ・マイン」ではグラミー賞も受賞し、モニカ、ブランディにアリーヤを加えた“女性ティーン・エイジR&Bシンガー御三家”的な存在で注目を集めた。短期間の休止を経て発売されたアルバム『アフター・ザ・ストーム』からは、「ソー・ゴーン」ほか大ヒットを記録、3度目のプラチナム・ヒットを達成。その後は長男の出産という大仕事を成し遂げ、2006年に5作目『メイキングス・オブ・ミー』で全米R&Bチャートの1位に返り咲く。年齢を重ねるごとにパワーUPていくモニカは2010年で30歳を迎え、さらに大人の磨きがかかった、R&Bファン待望のアルバムを引っさげ再びシーンにカムバック。
ソニー
発売・販売元 提供資料(2011/09/01)
5作目『The Makings Of Me』でソウルフルなシンガーとしての熟成を見せ、続く『Still Standing』でそれを確たるものにしたモニカ。そしてこの2年ぶり7作目も、より粒揃いな楽曲と、より表現の幅を広げた歌声の際立つ、彼女らしいソウルに満ちた一作だ。ピークを迎えたいまだからこそ、ブランディとの14年ぶりのデュエット“It All BelongsTo Me”も意義のある傑作となったのだろう。同曲は図らずも生前に親密だったホイットニーに捧げる形となったが、モニカはその遺志を継ぐ者たりうるのかもしれない。結婚という節目もあっての〈新しい人生〉なる表題ながら、心機一転とはいえ奇を衒わず、歌い手としての全盛期がまだ先にあることも予感させる頼もしさ。素敵な年の取り方をしていると思う。
bounce (C)池谷昌之
タワーレコード(vol.344(2012年5月25日発行号)掲載)