ボビー・ブラウン脱退後のニュー・エディションに加入し…といった経歴を説明するまでもない大ベテランの、実に15年ぶりのソロ6作目。大きな話題となった先行曲''In The Mood''をはじめ、トロイ・テイラーやブライアン・M・コックスといった名うてのR&B職人による充実の内容。LSG復活はならずとも、ジェラルドの父エディ・レヴァートとキース・スウェットとの共演も実現!
タワーレコード(2011/10/11)
96年の『Let's Get The Mood Right』以来15年ぶりの新作とは、ずいぶん長い間待たされたものだ。が、その間にはLSGとして2枚のアルバムを発表し、96年に再結成したニュー・エディションとしてもアルバム発表やツアー活動を続行。ソロでもタイラー・ペリー映画のサントラに参加するなどしてスケールの大きい歌声を披露していたジョニー・ギルではある。一説によると、旧知のジャム&ルイスに、〈そろそろ君の声が聴きたいよ〉と言われたそうで。レーベルとのひと悶着の末に無事発表された新作『StillWinning』は、バラディアーに徹した前作を受け継ぐ実直なスロウ・ジャムを中心に仕上げられた。そのジャム&ルイスのほか、ブライアン・マイケル・コックスやトロイ・テイラーらのサポートが程良い現行感を滲ませる。ジョニー自身もかのラルフB・ステイシーと組み、先行シングルとなった極上のジャジー・スロウ“In The Mood"などを制作。曲の後半でアドリブを炸裂させて野獣の如く吠え歌うスタイルも相変わらずで、最後のウィングス曲カヴァー“MyLove"まで俺節で歌い抜く。故スタティック・メジャーの遺品でもあるバラード“Long, Long Time"では、キース・スウェットに加え、L役をエディ・リヴァートが務めたLSG共演が実現。この暑苦しすぎる濃厚で重厚な三つ巴の歌合戦には冷静になれない。若手にはまだ負けちゃいない……と、そんな気迫が静かに伝わってくる徹頭徹尾R&Bな秀作だ。
bounce (C)林剛
タワーレコード(vol.338(2011年11月25日発行号)掲載)