マーラーの交響曲は、これまで複数のオケと1~6番のみを録音してきたメータが、今回初めて7番を録音した。恐らくライヴでは演奏歴のある曲と思われるが、今回突然リリースしたのは機が熟した、ということか。第1楽章冒頭より、バーンスタイン& NYPのDG盤を思わせるかのように遅く、重いテンポで進行。他楽章が快速と言う訳ではないのだが全体では76分13秒の演奏。木の温もりがある7番、といった感触。
intoxicate (C)北村晋
vol.95(2011年12月10日発行号)掲載(2011/12/10)
満を持してのリリース。メータ&イスラエル・フィル、マーラーの「夜の歌」
2011年のマーラー歿後100周年に合わせて、メータがイスラエル・フィルを指揮したマーラーの第7交響曲が登場。2007年2月にテルアビブのマン・オーディトリアムで行われたライヴ演奏を収録したものです。メータによるマーラーの交響曲録音といえば、1975年収録の「復活」で有名なウィーン・フィルのほか、ロサンジェルス・フィルやニューヨーク・フィルを指揮したものなどがあるなかで、現時点で終身音楽監督のポストにあるイスラエル・フィルとの顔合わせによるものがやはり点数も多く、すでに半世紀以上という固い結びつきをあらためて感じさせます。
2009年にウィーンで音楽出版社ウニフェルザール・エディツィオーンがおこなったインタビューによると、ちなみにメータがマーラーの交響曲を初めて聞いたのは、10代のときにボンベイでブルーノ・ワルターが指揮した第4番だったそうですが、第7番はメータにとって、バーンスタイン指揮ウィーン・フィルのリハーサルで間近に接した思い出の作品とのこと。
そのインタビューで同時にまた、当時はまだ第7交響曲を知らなかったというメータは「経験がすべてであり、そういうわけで第9番とともに自分にはあまりに早すぎるとの判断から取り上げることを考えなかった」とも述べています。
第7交響曲はメータも云うところの「たいへん錯綜とした内容」が特徴的で、マーラー作品に時折見られるシンメトリックな5楽章形式のなかに、スケルツォを挟んで「夜の歌」という通り名の由来となる2つの「夜曲」を置くという構造や、さらに、両端楽章の対照的な性格付け、テナーホルンの音色が異化効果を生む第1楽章と、ある種の躁状態をおもわせるフィナーレとの落差もまた、謎めいた作風を際立たせるものとなっています。
第7番同様に、第9交響曲についてもメータはようやく近年になって取り上げる傾向にあるようで、1997年の来日公演で取り上げていたことも思い起こされます。
マーラーの演奏にあたり、メータはバーンスタインより「ストリート・ミュージックのように演奏するんだよ」とのアドバイスを受けたそうですが、その記憶も脳裏をよぎったのでしょうか。
1936年4月生まれの巨匠メータはこの第7交響曲を指揮した時点で70歳を迎えていましたが、もっとも信頼できるオケを得て、確信に満ちた演奏内容を聴かせてくれるものと期待されるところです。(インタビュー内容引用出典 (C) Universal Edition)
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2011/07/29)