何と5年ぶりとなる待望の新作はAORファンの期待を裏切らない極上の出来。その変わらぬ独特の語り口と優しいウィスパー・ヴォイスも健在で嬉しい限り。チャック・ローブ、ギル・ゴールドスタイン、マイク・マイニエリ、デヴィッド・スピノザ、ホメロ・ルバンボ、ティル・ブレナーなどなど豪華すぎるほどのゲストも参加し、心地良い涼しげで爽やかなサウンドアレンジとサポートに包まれてもうとろけちゃいそうです。
intoxicate (C)廣瀬毅

徹底して洒脱なボッサAORという＜不変の美学＞を貫く粋人の、5年ぶりとなる新作。チャック・ローブやマーク・イーガンら腕利きたちによる流麗なバッキングは、過去の名作と比べても遜色のない極上メロウ空間を熟成している。が、フランクスの歌唱は決してそこに耽溺することなく、常に静謐で涼しげな佇まいを崩さない。まるで夕暮れの街風景をガラス越しに眺めているような、独特の詩情が漂う名作だ。
bounce (C)北爪啓之